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チャリで明日香村に行き、天才達による写真と石を満喫した

一日中曇りという絶好の自転車日和となった本日、20年ぶりくらいに明日香村まで行って来た。片道36kmの道のり、NAVITIMEで高低差の少ない道を選んだにも関わらず、途中道を間違え、なんとかグリーンロードなる完全プロ仕様のクソきつい坂道でロードバイカー5人に次々と余裕で抜かされたクロスバイカーの私は、必死の思いで穴虫峠越えを達成したる後は、以外と楽ちんやんなんて嘯きつつ、3時間弱で、奈良県立万葉文化館に到着した。

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 ここで今日まで開催されていた、荒木経惟氏と操上和美氏による写真展『うつせみの鏡 時空の舟 ―我・夢・影―』 を観る為である。本展は「現代を代表する二人の写真家が、千数百年の時空を超えて、万葉集にうたわれた言霊の現象空間をつくりだす」とし、インスタントカメラで撮られた大量の写真がでかくプリントされて壁に貼り付けてあった。必ずしも万葉集の歌の内容にインスパイアされたものではおそらくなくて、万葉人が自然と人との複雑な相互作用から生まれた捉えどころのない思念を言葉としてひり出した歌詠みという行為を、思念を焼き付ける写真に置き換えたものと思われ、撮影した当人以外には理解不能の不穏な美しさに疲れが吹っ飛んだ(正確には館内カフェテリア"Shijin"の天然酵母パンを使用したサンドイッチが旨過ぎた為と思われる)。最終日の日曜日に客が俺含めて2、3人という惨状にもかかわらず、監視員が3人もいたせいで隠し撮りすることは適わなかったが、荒木氏による花と恐竜フィギュアのモノクロ写真が傑作すぎて、猛烈に欲しくなった。

ちなみに、この文化館、建物は静かな佇まいながら、その一般展示室は、地方の博物館にありがちなB級感覚の迸る下品さを満喫できるアヴァンギャルドな空間である。下の写真は、万葉歌が実際にはどのように歌われていたかが不明であるのをいいことに、文化館の企画者が悪乗りして制作した視聴機である。館長さん、こんなん置くくらいなら、刀根康尚(Yasunao Tone)氏のWounded Manyoを大音量で聴ける部屋を作ってください。多分名物になって全国から粋な若者が集まります。川とか虫の音が聴こえるヒーリング部屋(ポエム空間)はいらん。

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 さて、私は石や土で作った地霊的な何モノかが好きな人間である為、文化館を出た後は、明日香村にやたらとある石モノを見て回った。一応、有名な石舞台にも行ってみたが、近くの広場で高校生歴史クイズ大会が催されており、石舞台付近一帯に、桂小枝のなんに対しても「素晴らしい」を連発するやる気のないMCが響き渡り、雰囲気も糞もない不陰気であった為、即座に退散(あとで調べたら笑い飯も来てた模様)。

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したる後、石舞台の裏手辺りにあるマラ石を見に行った(下写真)。

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昔は直立していたとのこと。この次はベタな亀石を見に行った。

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当然ながら20年程度経っても何も変わらん亀っぷりに石の硬さを再認識したる後、少し足を伸ばして、岡寺駅の西側にある益田岩船(ますだのいわふね)を見に行ったところ、これが今回のアート歴訪一人旅におけるクライマックスとなった。住宅街の中に突然現れる高さ130mほどの竹林に覆われた小山の急な坂道を登っていくと、現れたるその巨岩の神々しさたるや、もうあれ、こんな感じ(↓)。

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よくわからんので、回り込んで上から見るとこんな感じ(↓)

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これがなんなのかは諸説あって未だに謎らしいが、コックピットもあるし、ニギハヤヒの乗っていた宇宙船が不時着して石化したもので間違いないと思われる。

それにしてもこの石の持つ異様な迫力は格別で、明日香で見た他のどんな石作品よりも感動的であった。いわゆる「飛鳥」の観光中心地から離れたちょっとわかりにくい場所にあるものの、これはかなりオススメのスポット。但し、途中の坂道はマジで急であり、ロープをつかんで登る箇所もある。また、石の横を歩いている時に巨大なマムシにも遭遇した為、今回の私のように短パン&短ソックスで行くのは結構危険である事を申し添えたい。

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最後に、甘樫丘の展望台に登り一服。夕陽の中の畝傍山を見て古代に想いを馳せまくりたいのはやまやまだったが、それよりもこのあたりで左膝の古傷(約半年前にゴルフ中にコケてぐねたもの)が猛烈に痛み出し、3時には出ないと明るい内に帰れる自信がなくなってきたので帰宅。道中のキリン堂でアンメルシンヨコヨコを買って塗りたくりつつ、這う這うの体で家に辿りついた。帰りの所要時間は3時間半。

 

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