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いい感じのビジネス英語(15):英語なんてろくにしゃべれないのに急に仕事で必要になった人が気を付けるべき3ヶ条

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今回はタイトル通り、『英語なんてろくにしゃべれないのに急に仕事で必要になった人が気を付けるべき三ヶ条』を、私の過去の個人的経験とともに紹介します。

つまり、ビジネス英語のだいぶ初心者向けですが、意外と忘れがちになったり、ちょっとしたことで大きな改善につながるコツと心構えです。

第1条:「th」の発音だけ気をつける

発音は大事です。コミュニケーションは伝わってなんぼですから。しかし、英語に慣れていない日本人ビジネスマン(30代以上を想定)が、急に頑張ったところでネイティブのように発音できるわけがないので、それはすっぱりあきらめましょう。

ただ、無声歯摩擦音というんでしょうか、「th」の発音だけは、舌先を上の前歯と下の前歯で軽く挟んで、そこに空気を通して「ッゥスッ」と発音するクセだけは付けるように気をつけるべきです。

日本人にはなかなか理解しがたいのですが、日本的に「スリー」と発音して「Three」と通じない欧米人はいっぱいいます(シンガポールなどでは結構大丈夫ですけど)。

Three以外にも、「Think」「Thought」「Through」「There」「Thin」「Thursday」などなど、この発音だけ気をつけるだけで、英語伝わる確率が30%は向上します。

30%なんて当然適当に言ってますが、「Th」が通じないばかりに、聞き返されたり誤解されることは本当にたくさんあります。「I thought」が「I sort」になっている人は多いです。

余談ですが、いまだに日本人というだけで、なんとなく「敬意」に似た感情をもつアジア人のひとはまだまだ多いです(日本人の給料はすでにシンガポール人に負けてますけど)。

よって、ビジネス会話においても、日本人が下手な英語をしゃべり、たとえ少し理解できなくても「お前の英語わからんわ」と、繊細な日本人ビジネスマンの心を傷つけるようなことは控えて、わかったようなふりをする外国人は実はたくさんいます(日本人が相手の話す英語がわからなくても、あいずちをうってしまうのと反対の事象ですね)。

ちなみに、私の場合、協力会社とのコミュニケーションでこういうことがあってはならないので「日本人の言うことがわからんかったらちゃんとその場で言ってくれ」と言いつつ、「わからない」ときは、日本語で「ゼンゼンワカリマセン」と言えばよい、と教えると、インド人やバングラデシュ人は「じぇんじぇんわかりましぇん」と発音されるのでおもしろいです。

余談が過ぎました。なお「L」と「R」の発音の違いは、とりあえずどうでもいいと思います。「Rは巻き舌」程度に気をつけておけばだいたいオッケーです。

個人的経験

初めてアメリカでホームステイしたときに「Th」の発音が「ス」では通じないことに気づいたので、割りと早い時期から「ッゥスッ」と発音するようにした。しかし、あまりにも「ッゥスッ」「ッゥスッ」言いすぎたため、飛行機の美人スチュワーデスから何か免税品を買おうとして、「6個」の「Six」を「ッゥスイックス」と言って、「(´Д`)ハァ…?!」とバカにされたように言われてとても恥ずかしかった記憶がある。「Six」は「シックス」の方が近い。あと「Machine」も「マスィン」ではなく、日本語英語の「マシン」に発音が近いことも恥をかいて知った。

第2条:会話では三単現のSと時制は気にしない

文法は大事です。最初の問い合わせメールなどで、文法に従った(それも格調高い単語を使った)キレイな文章を書くひとは、それだけで相手に好印象を与え、欲しい回答がもらえる率が上がります。

反対に、文法めちゃくちゃなメールを送ってくるひとは、この会社と付き合って大丈夫かな、と、多少の警戒感を相手に与えてしまいます。顔の見えないメールでは、最初の英文の文法のキレイさが、そのメールを受け取った相手の第一印象を決めると言っても過言ではありません。

アジア諸国から来る問い合わせメールの文法がめちゃくちゃのケースは結構あります。でも実際会ってみると日本人よりスピーキングはうまいことが多いです。ところが日本人の場合、メールはそれなりの文章なのに、会話はからきしダメということが多いです。

しかし文章がめちゃくちゃだが一見英語をしゃべるアジア人も、実はしゃべりの文法もかなり適当です。日本人はメールはそれなりなのに、しゃべれないのは、メールと同じ文章を口から出そうとして「時間をかけてしまっている」からではないでしょうか。

発話に「時間をかけてしまう」と、それだけで本当は「しゃべる英文は頭の中で組立てられている」のに、タイミングを逃してしまい、「あ、もうこれいまさら言うのも変」みたいな言い訳が脳内に立ち、結局なにもしゃべらない。この流れは英語に苦しむ日本人の大半に共通していると思います。

これを打破するためには、とにかく会話では文法など無視して(あるいは文章の組立てに困れば)、知っている単語を羅列してしゃべろうとすると良いです。

というわけで、いきなり海外出張になったり、明日外国のお客さん来るから面談しといて、と言われてやばい人は、とにかく学校で習った「三人称単数にはSをつけるルール」と「時制」は忘れて、もっとほかに伝えるべきこと(単語)を考える/思い出すのに時間を使えるようにしましょう。

超極端に言えば、代名詞は「I」「you」「he」「it」だけで本当になんとかなります。話題にしているのは女性なのについつい「he」というシンガポール人はいっぱいいますし、誰もそんなん会話中でいちいち訂正しません。

単数でも複数でも、「ヒト」なら「he」、「モノ」なら「it」で絶対に通じます。三単現のSなんて1ミリも考える必要ありません。もちろん、英国やアメリカでこんな喋り方をすると馬鹿にされるかもしれませんが、最初は気にする必要はありません。気にするとしゃべりの上達が阻害されるだけです。

時制も全部現在形でもノープロブレムです。もちろん正しく使えるときは使った方がよいですが、現在完了形とか未来完了形の正しい使い方に惑わされる必要はありません。シンガポールでは、「will」の直後に動詞の過去分詞がくっつく謎の構文が普通によく使われています。

あるシンガポール人から今日受け取ったメールの文章は、以下のような感じです(勝手に引用)。

Should be money order.
Think can leave the designation blank.

いかがでしょうか。このひとは当然英語はペラペラです。こうなってくると英語というよりシングリッシュの領域ですが、主語を完全に省略しています。でも意味は普通に伝わります。

なお、アメリカの黒人英語ではたしか、be動詞さえ、変化させずに使ったりしますが("He is here."と'"He be here."にはニュアンスの違いありますけど)、ビジネスの現場でそこまでシンプルにいくのはやめましょう。

とにかく口に出して単語を連発していくことが英語上達のひとつの秘訣であり、英語を喋れるようになるということが、頭の中の文章をきちんと淀み無く発話できるということである以上、構文を勉強することは、無駄ではありませんが、ビジネス会話をできるようになるためには効率が悪いことは明白です。

なぜならいくら勉強しても、上述の通りその構文を発話するというステージにいけないだけでなく、その構文の「正しさ」に囚われて、正しくない使い方ができなくなり、いろんな使い方をされて、実は国によっても異なる英語を受け入れる柔軟性が阻害されるからです。

それよりも、構文は適当でもしゃべりの場にさらされることで、文法を半ば無視した変な自分流の構文を、徐々にネイティブの使う構文に合わせていく、意識的・無意識的にマネしていく。これがポイントです。方言が伝染るように、英語表現も伝染るんです。そして言葉が伝染ったとき、上達を実感します。

個人的経験

英語でプレゼンするのに慣れていない頃は、とにかく淀み無くしゃべれるように、しゃべる原稿を事前に書いてわざわざ練習したりしていた。しかしそれでたとえプレゼンがそれなりにうまくできたとしても、目茶苦茶困ったのがQ&Aタイムである。「あのスライドに戻って」とか言われてもう一回説明するとき、原稿とほとんど同じことしかしゃべれなくて、質問者が「呆れ顔」になっているような気がするなど焦りまくり。今ではネイティブのプレゼンを聞いて気に入ったフレーズ・単語は極力パクり、そうしたフレーズを散りばめて、原稿は作らず心の余裕を作るようにしている。あと、Q&Aで重要なのは「質問」がわからなかったら、壇上から訊き直したりして頑張るより、即座に諦めて、「I'll talk to you later.」と言ってかわすことでも余裕は生まれ、ほかの説明に焦りの影響が出ない。

メールの便利な表現については以下を御参照。

www.materialized.biz

 

第3条:自分に自信をもって相手を少し見下す

「英語がしゃべれるからってなんぼのもんやねん」という気持ちがとても重要です。英語なんて手段でしかなく、相手に伝える情報の中身が重要ということです。言い換えれば、英語がしゃべれないことをディスアドバンテージと捉える必要性はミジンコの鼻クソほどもありません。

「相手を見下す」というと少々語弊があるかもしれませんが、例えばビジネス上の会話において「説明」とは、相手の知らないことを「教える」ということです。いくらモノを売りたい営業であっても、客にこっちが知ってることを教えてやる、くらいの気持ちでいれば(但しくれぐれも尊大にはならずに)、「こっちは英語が母国語ちゃうのに、お前日本語もわからんから、わかる言葉にあわせて説明したるわ。ちょっとくらいこっちの下手な英語がまんせーや」くらいの気持ちでいると、心に余裕が生まれます。

そんなことを常に思っているわけではないですけど、英語がうまくしゃべれないことに罪悪感を感じる必要はなくて、そんな後ろめたい気持ちは、ビジネスの現場で焦りを生んで交渉上よくないだけでなく、英語上達の障害にしかならないということです。

これは抽象的なようですが、1年前まで英語をまったく話せなかった同僚(37歳 エンジニア)を見ていて、この思いを強くしました。

海外の現場に来た当初は、なんでも私に通訳を頼んだり、恥ずかしがっていたのが、ある一定の期間が過ぎると、実は自分のエンジニアリングの知識・経験は、海外でも十分通用するものであることが実感としてわかり、「なんでそんなんもわからんねん!」的な、いわゆる「いらだち」「怒り」の感情とともに、文法や単語の選択は時にめちゃくちゃでも、自分から率先して英語で話すようになりました。

そうなるとあとは上達は結構早いです。鬱積した感情を発露・発散したい欲求が、恥ずかしさという心理的障壁を乗り越えたとき、第2条に書いた英文フレーズの無意識的な取り込みがどんどん起こるような気がします。

とにかく、ビジネス会話においては、英語なんてただの手段と考えて、自分の言いたいことを言うために適当に使い倒してやるという心構えが非常に大切かと考えます。

個人的経験

アメリカの大学は、3年生になって初めて、主専攻と副専攻科目を決めて専門的な授業が始まるのだが、そういった授業は1~2年で受ける教養科目と異なり、少人数のクラスが多くなる。少人数のクラスでは、成績の10%から多いときは30%もが、「Participation(単なる出席ではなく、授業への参加度合い)」、要はどんだけ手ぇ挙げて発言したか、みたいな基準で決まってしまう。そんな専攻科目のクラスである時、生徒の書いた小論文をお互い交換して、読み合って批評する、みたいなうっとうしい授業があったのだが、交換した相手の論文に書いてある内容の幼稚さに唖然としたことがある。生まれたときから英語の環境で育ったアメリカ人で英語がペラペラでも、この程度の英語文章力で、この程度の内容のことしか書いてないのかと知ってから、俄然こっちのほうが賢いような、変な自信とやる気が出てきて、英語のそんな授業でも「A+」の成績が取れるようになった。

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