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狂気とユーモアと理想的な文体と:トーマス・ベルンハルト著、西川賢一訳 『ベルンハルト短編集 ふちなし帽』読了

「狂気」と「ユーモア」は小説が良い小説である為の最も重要な要素の二つであることは言うまでもないが、初めてベルンハルト氏の小説を読んでみて、その二つの要素の完璧な表現ここにあり、と感動せしめるわざと微妙に常識を踏み外しつつ何事もなかったかのようにふるまえるぎりぎりの線上で軽快に紡ぎ出していく文章(ギャグ)センスに脱帽した次第(翻訳者の力量も大きいとは思う)。ベルンハルト、セリーヌを初めて読んだ時に似た愛しいレベルまで気に入った。

ベルンハルト短篇集 ふちなし帽

ベルンハルト短篇集 ふちなし帽

 

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