2008年にRare Youthから300枚限定で発売されたEli Keszler(エリ・ケスラー)のファースト・アルバム『Livingston』を、困ったときのGEMMで見つけたアトランタの個人経営店から新品で購入、2週間以上経ってようやく届いた。
インナーを見ると、ひとりでドラムやギターやクラリネット等を多重録音したものらしい(録音は2007年)。
生楽器による人力ノイズはここではまだ、世紀の傑作『Catching Net』(2012)が到達した、ノイズが物質的強度をもって聴くものに迫る音響を獲得するには至らず、まだ荒削り。
だがその萌芽は十分に感じられ、暗くて無機的な音像なのに熱いパンク精神を確かに感じさせる稀有な作品となっている。ここで試聴可。
ジャケットは紙一枚を折りたたんだだけだが、印刷はシルク・スクリーン・プリントで、本人の手作りのような気がする。
ただし。ジャケ絵はMike Taylor氏によるものらしく、ケスラー本人の作品ではない模様。