(遅ればせながら)明けましておめでとうございます。などと言ってみたのは、我々日本人が新年初めてメールを送る相手などに、「明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます」とか書くのと同様、外国人とのビジネス・メールのやりとりにおいても、1月1日を過ぎれば同様のことを書くわけで、Happy New Year.は正しいけれども、いきなりこれではちょっとフランクすぎるかな、という場合に、ちょっといい感じの表現として以下のようなのがあります。
- 定番: Greetings to you. Happy New Year.
- こなれた感じ: I hope you and (会社名) have started 2015 well. Happy New Year.
- くどい感じ: I wish you a healthy, prosperous and happy new year!
(最後のは若干年賀状向き。ご多幸とご健勝をお祈りします的な英語)
文法に忠実であろうとして代名詞にこだわってしまう
ビジネスの現場で英語を使わざるを得ないしんどい目に遭う日本人というのは、幼少時に海外にいたとか言う人を除いて、やはり中学・高校で習った文法に束縛されてるな~、という表現をよくするように思います。
例えば、呪言のように刷り込まれた「SV, SVO, SVC, SVOO, SVOC」。実は「C」ってなんやったっけてな感じなのですが、あー、complmentの補語ね。。。補語てなんやねん。アホか! と、私のようなアホはその時点でアホくさくなってしまいます。そんな中学生は多いと思います。
こういう教え方をされているから、語順のルールに従わないといけないという意識ばかり先に働いて、ビジネスで英語を使う局面において、詰まったり、結局言いたいことが言えなくなったりする。語順とか文法が滅茶苦茶ながら、しゃべりまくる東南アジアの人が、日本人を圧倒するなんてのは、国際会議のよくある風景です。
で、今回のお題ですが、そうした文法フェチな日本人は、「代名詞」にもこだわらざるを得ません。thisとかthatとかthoseとかthemとかの代名詞です。前に出てきた単語の代名詞として、thatがいいのか、itでいいのか、複数形にせなあかんか、とか色々考えてしまいます。よって、日本人のメールにはどの代名詞を使えばよいかわからなくなって、前に出てきた名詞を繰り返したりして、非常にくどい文章になっているのをよく見ます。
ビジネス・メールにおいては、文章の「くどさ」は絶対に避けるべきというのは言うまでもありません。
代名詞に迷ったときの便利な代名詞
そこで、迷ったときに便利な代名詞として、「the same」をおすすめしたいと思います。「the」が必ず要ります。
「same」は超中学英語です。「同じ」という形容詞ですが、ちゃんと辞書をひけば、形容詞以外にも、副詞や代名詞の意味があります。この代名詞としての「the same」がめちゃくちゃ便利で、代名詞で表現したい、先に出た名詞が、単数であろうと、複数であろうと、the sameと簡単に言って/書いてしまってオーケーです。であるにも関わらず、日本人の英会話や英文メールにはあまり出てこないような気がします。
例文は以下の通り。
- Please calculate the cost for the "XXX project". I will prepare the proposal for "the same".
- We are still working out the "details", we request you to kindly wait for "the same".
- We couriered the "documents" yesterday. "The same" shall be reaching there within this week.
文章前半の"○○○"の正しい代名詞を考えるの微妙に面倒くさくないですか? 1番は、that?it? 2番は、it? いや複数になってるからthose? 3番は、複数の書類だからthey? いや一枚のクーリエ便専用封筒に入ってるからitでいいのか? という具合に、正直私もどれが正解なのかよくわかりません。それが、全部「the same」でオール・オッケー、ザッツ・オーライです。
ちなみに、冒頭に書いた「Happy New Year!」と書かれたメールに対して返信するときも、
Wish you the same.
でもオーケーです。但しこれはちょっと近しい間柄でないと使えないかもしれません。「あけおめ」まではいかないまでも結構くだけた表現です。
「the same」を使うことで、英文の組み立てがより早く、より快適になると思います。