今回は、英語によるプレゼンテーション、とくに商談のような少人数ではなく、国際会議やワークショップなどの大人数を前にしたプレゼン英語がテーマです。
「英語 プレゼン」で検索すると、役立つ/よく使うフレーズ集を紹介するサイトが山程出てきますので、まずはこうしたサイトで基本的フレーズを覚えるのは良いと思います。
発表時に役立つニッチなフレーズ
そんなフレーズを丸暗記して、まずはそれを何度も使って自分のものにしていく方法もとても効果的。但し努力が必要。この『いい感じのビジネス英語』では、実は結構緊張しているのに、さも余裕ですよとはったりはかましておきたい日本人ビジネスマンを対象としている為、今回は役立つフレーズや単語を紹介します。
まず、国際会議やワークショップでは、司会(Chairman/Chairperson:司会はMCですが、会議の場合は、議長が司会を兼ねることが多い)が必ず次の発表者を紹介します。そして大抵、紹介中には発表者は壇上に上がり始めているか、すでに演壇の前に立っているかのどちらかです。
そこで上記サイトにあるように、紹介が終わったらいきなり「Hello, everyone!」とか「Good afternoon, ladies and gentleman.」とか、緊張しながら下手な英語で始めると、なんだか、つかみでスベったような雰囲気が漂います(レディース・アンド・ジェントルメンと言うのは日本人には馴染まない気がしますし)。のでやめておきましょう。
というわけで、静かに落ち着いて、シンプルにこうスタートする方が、簡単かつ精神的にも楽で、いい感じです。
(司会の方を向いて)Thank you chairman.
(聴講者に向き直り)Hello, my name is XXXXX from XXXXX, Japan.
ちなみに「演壇」のことを英語で「Podium」(ポディウム)といいます。かなりマニアックな単語ですが、司会から「Please go up to the podium.」(演壇に上がってください)とか言われたときに、知らないと戸惑う可能性があるのでおぼえておいたほうが良いでしょう。
自分の名前を告げた後は、今回この場で発表できることの感謝を、主催者側に伝えることが多いです。こんな感じ。
First of all, I would like to thank XXXXX (主催者) for giving me an opportunity to speak about our technology/products/research today.
日本人の場合、英語のうまい人はかなりの率でこのような儀礼的フレーズをはさみます。下手な人は必ずいきなり本題に入ります。よって、入れた方がよりそれっぽいでしょう。
あとは、どういう話をするかは、発表者次第ですが、英語は、発音のうまい下手は気にせず話すことがなによりも大事だと思います。国際会議等では色んな国のひとがいるので、ジャパニーズ英語がわかりやすいから良いと言ってくれる外国人も中にはいます。英語は世界共通語とか言われますが、その英語とは、イギリス英語でもアメリカ英語でもありません。
笑いを取るためのフレーズを覚えるか、事前に考えておく
次に、多くの聴講者の視線が集まる英語でのプレゼンはどうしても緊張しますが、笑いが起こると緊張もほぐれます。国際会議での常套フレーズに以下があります。
I assume everyone is becoming sleepy after lunch so I will try to make my presentation short.
訳:ランチの後で皆さん眠くなってきたでしょうから、私の発表はできるだけ手短にしますね。
昼休憩後のトップバッターはかなりの率でこのようなことを言うので、完全にクリシェになっており、そんなに笑えませんが、笑ってくれる人もいるので、午後のプレゼンの場合は使ってもよいかもしれません(自己責任)。
Ah, I feel kind of awkward now... Uneasy because I see lots of faces I'm familiar with... Ah... Competitors.
訳:えーと、いまちょっと若干落ち着かないというか、なんというか、見たことのある方が大勢いらっしゃいますね。まぁ競合の方々でw
国際会議やワークショップ等の場合、聴講者の中に、競合会社の人たちがいることも多いので、こんなフレーズを冗談っぽく挟むと笑いを少し起こせます。これは実際に私が言ったことがあるので書きましたが、やばい、いきなりネタ切れです(次回会議参加時にネタを集めてきます)。
発表時にクセのように使いたい単語
パワーポイント等による発表で、「このスライドは弊社の技術の特長を示しています」とか言いたいとき、英語の下手な日本人はよく「This slide is characteristic of our technology.」などと言います。明らかに"is"はおかしいですね。このスライド(自体)が技術的特長なわけがありません(また、日本人がよく使う"Characteristic"も実はおかしいのですが[受験英語の弊害]それはまた別の機会に)。
よって、"shows"、"illustrates"、"describe"を憶えておけば万事オーケーです。すべて日本語の広い「示します」の意味で使え、英語として自然です。
This slide shows XXXXX
(直訳:このスライドはXXXXXを見せます →示します)
This figure illustrates XXXXX
(直訳:この図はXXXXXを図解します →示します)
XXXXX is described in this diagram.
(直訳:XXXXXはこの図に描かれています →示しています)
「言及する」「言う」のプレゼン向きな単語表現
英語の苦手な日本人は「言及する(触れる)」といえば、必ず"mention"を使います。プレゼンで「このテーマについても言及します」とか「この件についても後で触れます」を"mention"と言うことは間違いではないかもしれませんが、私の経験上では、ネイティブの発表者はかなり高い確率で、"touch upon"と言います。
I will touch upon this issue in the last half of this presentation.
訳:このプレゼンの後半でこの問題に触れます
touch onでもいいと思いますが、touch uponというと実にそれっぽくできます。
また、「言う」は"say"や"tell"でもよいですが、プレゼンの結論部分等で、強調したい場合には、"state"(明言する、言う)という単語を使うクセをつけるといい感じです。
I would like to state that 〜
プレゼンが終わったときは、
Thank you for your attention.
色々あると思いますが、この最も簡単な一文を毎回使ってもなんの問題もありません。
おまけ:自分が聴講者側「興味深いご講演ありがとうございました」
自分が聴講者として、発表者に質問したいときは、質問の前に発表者に対してお礼を言いますが、この「興味深いご講演ありがとうございました」という表現、英語では、
Thank you for your very informative presentation.
という人が多いです。
「興味深い」といえば"interesting"ですが、この単語は「奇異な」というような意味を含むので(多分)、"informative"(示唆に富む)という単語を使うことを心がければいい感じになります。