中学英語を、超「応用」するということ
ビジネス英会話は「中学英語だけでもなんとかなる」とよく言われます。
実際、自分の話す拙い英語や、ネイティブの英語を振り返ってみても、たいして難しい文法や単語を使っているわけではなくて、仕事の会話よりも、話題があっちこっちに飛ぶ雑談・冗談話の方が、よっぽど高い英語力が必要ということは実感しています。
「英語力がある」とは、英語に関する即応力というか瞬発力のようなものが必要で、日本語で考えて頭の中で英語に訳すのではなく、英語が先に出てこないといつまでたってもスラスラ話せない、というのもよく言われる話です。
よって、「ビジネス上の会話を中学英語だけでなんとかする」ためには、とっさに口に出せるフレーズをいくつか頭に入れておく事が重要、ともよく言われているような気がします。
と、ここまでは、そういう意見の人もたくさんいるようなんですが、今回は私が実際によく使う、誰でも知ってる中学英語の便利な表現というか応用方法をご紹介します。
「I want to see ~」を超応用するとどうなるか
以下の英文は中学1年生、というか最近は小学校でも習っているかもしれません。
I want to see ~
私は ~ を見たい。
I do not want to see ~ (I dont't want to see)
私は ~ を見たくない。
このフレーズを瞬間的に出せるように頭に入れておけば(というか簡単にできますよね)、実はめちゃくちゃ応用がきいて、英会話がよりスムーズになります。
仕事中にありそうな表現を4つ示します。
- 明日までにこの見積書が必要です。
- このプロジェクトの成功に期待しています。
- 事故や怪我のないようお願い致します。
- 遅刻しないでくださいね。
これらの文章はそれぞれ、「必要である」「期待する」「お願いする」「遅刻する」という異なる動詞が含まれています。また、主語に目を向けると「私」や「事故・怪我」「あなた」(日本語では一部省略される)といっぱいあります。
ところが、上述のフレーズを超応用すれば、これらの表現も簡単に言い換えることができます。
- I want to see the quotation by tomorrow.
- I want to see the success of the project.
- I don't want to see any accidents nor injury.(norはorでも問題なし)
- I want to see you on time.
いかがでしょうか。
和文では「動詞」が全部異なっていたのに、英文ではすべて「動詞」が「see」で事足りています。直訳すると以下のように若干幼稚な雰囲気が漂いますが、確実にちゃんと伝わります。
- 私は明日までに見積書が見たいです。
- 私はプロジェクトの成功を見たいです。
- 私は事故や怪我を一切見たくありません。
- 私はあなたを時間通りに見たいです。
もちろん実は、上の4つの英文は、厳密には間違いや、幼稚な表現、かっこわるいところがあります(success of the projectとか変です)。
ところが、ここがポイントで、英会話では、基本的に主語を「わたし(ヒト)」にもってきて、動詞を簡単な中学で習うようなもので代用すれば、スラスラ話す第一歩になりえます。
なかなか英語が思うように喋られない日本人は、ついつい、モノを主語に持ってきてしまいがちです。例えば、上の3番目などは、多くの人が「事故や怪我」を主語にもってきたまま、事故ってなんやったっけ?とかアレコレ考えてしまって、ぱっと口をついて出ないことになると思います。
私は、これが「英会話は中学英語でもなんとかなる」の本当の意味だと考えています。
決して、ビジネス会話で使っている単語が実は少ない、とかではなくて、会話に出てくる表現は、常に中学で習う文法的表現に言い換えられるということです。単語は、仕事の業界ごとに専門用語があります。
中学英語「I want to~」を堂々と使いましょう。ただし、連発するとちょっとアホっぽい雰囲気が出てしまうので気をつけてください。でも言葉に詰まって会話に失敗するよりはましです。