新型コロナ・ウィルス感染の拡大防止策の一環として、シンガポール政府は先日、新しい「Stay-Home Notice」を、昨日(2/18)午後11時59分より施行すると発表しました(本記事の投稿時間にはすでに施行済みの予定)。
これは、過去2週間に中国を訪問して帰国したシンガポール人、永住者および長期就労者の自宅からの外出を禁じるというもの。これまでも「出社してはダメ」という規制(LOA: Leave of Absense)が実施されていましたが、それは生活必需品の購入などでの短時間の外出は認めるものでした。
しかし今回の「Stay-Home Notice」は、一切家の外から出たらダメらしいです。抜き打ち検査もあるらしく、もし違反した場合(1回目)は、最大10,000ドルの罰金/6ヶ月以下の禁固刑、もしくはその両方が課せられ、外国人の長期就労者はビザキャンセルのうえ、強制帰国させられると思われます。
このペナルティはLOA違反も同様で、毎日1,000件以上の電話や訪問によるチェックを行っているらしく、先日はそれで違反して会社に出勤している人が見つかり、強制国外退去させられ、雇用者側もこの先2年間、外国人用就労ビザが発行されなくなったというニュースもありました。
一方、政府としてのサポートもあり、対象の雇用者(会社もしくは個人事業主)には、労働省(MOM)に申請することで、1日あたり100ドルが支給されるそうで、このへんの動きは、シンガポール政府早いです。すぐにMOMのウェブサイトに情報があがっており、わかりやすい。
しかし日系の商社などでも中国に行っていた従業員なんてなんぼでもいると思います。ビジネスへの影響は、かなり大きいのではないでしょうか。
「影響された」と言いたいときの便利な英単語
さて、「ビジネスへの影響」とか白々しく言ってみたところで、今回の本題につながります。ビジネス英語初級者向けです。
「影響」といえばまず思い出す単語は「influence」です。
「インフルエンサー」なんていうダサい言葉が日本語になっているように、誰でも使えう単語です。
しかしこの「influence」はもちろん「影響」という意味ですが、実は「感化」するという意味合いがあり、どちらかというと、良くも悪くも権威的/強いものに「影響されて、なびく」というニュアンスが含まれ、「インフルエンス」の結果、ひと/行動が変わるという意味が強いです。
「両親に影響されて~」みたいな。
というわけで、仕事の会話で「影響」を使う文例を以下に3つ挙げます。
1. あいつは上司に影響されすぎ
2. それって工程への影響はある?
3. あの事件は我社のビジネスに影響を与えた
すべて「影響」ですが、「influence」が適切なのは、ひとが関わる1番のみです。
1. He is hugely influenced by his boss.
Impact
2番で使える単語は「impact」(衝撃、強い影響)です。
2. Will this impact our schedule?
以下の記事内での例文にも使いました。
この「impact」はビジネス会話でやたらと使われるので、もはや「影響=influence」であることは忘れて、影響と言いたければ「impact」をすぐに出せるようにすると、ビジネス英会話がいい感じになります。
「なにかの工程への影響」というと、なにかのせいでガツンと一発で変わってしまう、というイメージなので「impact」が適切です。
affect
3番の文章は、あんまり良い影響を及ぼさない感じで、上記のように一発で変わるというより、じっくり悪影響を被ってしまう、というようなニュアンスの文章のため、「affect」を使うのが適切です(「impact」も文脈によっては使えます)。
3. That incident has affected our business.
意外と英会話初級者はこの「affect」を使わないので憶えておくと便利です。
新型コロナ・ウィルスの感染拡大によるビジネスへの影響の話なんかをするときは、まさにこの「affect」が最適な単語です。
しかしこの「affect」は、これまたたくさんの意味を持ち、「悪影響を与える」という意味のほかに、なんと「(ひとを)感動させる」という意味もあって、「affection」になると「愛情」と「疾病」の2つの意味を持ち、さらに「affected」になるとなぜか形容詞で「病気に冒された」(affected part=患部)という意味と一緒に、「気取った」という意味もあるというなんとも意味深な単語です。