英語が仕事で必要になった場合、なによりもまず、お金自体をどう呼ぶ/読むのかをおぼえておくことは重要です。
money お金
bill, note 紙幣
coin, change 小銭、釣り銭
cheque/check 小切手
currency 通貨(通貨単位)
などなど、これらは簡単ですが、慣れるのが一番しんどいのが、価格を伝えたり、聞いたりするときに必ず直面する単位の読み方(命数法)ですが、それについては以前、以下の記事を書きました。
本シリーズでは、役に立つけど、初心者・中級者があまり使わない表現を覚えることで、ビジネス英語が上達した気分になるような線を狙っています。
決算書の解読などで必要な会計専門用語は、よそにいくらでも情報があるため、ここでは、たぶんあまり取り上げられていないけど、ビジネスの現場ではよく使う単語・表現を紹介します。
ジャンルや使われるシチュエーション等は、思いついたまま書いているので、ばらばらですが悪しからずご了承ください。
1.会話で出まくる「bucks」や「grand」について
最初に、基本的な会話ネタですが、とくにアメリカ人(アメリカに留学したひと含む)はやたらと「bucks」(ドル(dollars)の口語)とか「grand」(1,000ドル)を使いますので、これは使い方をおぼえておいたほうがよいです。
Ten dollars(10ドル)は、日常会話においてはよく「ten bucks」と言います。「ten dollars」は会話ではあまり聞きません。
スーパーのレジのひとが金額を言う場合は、だいたい数字だけです。10ドル20セントの場合、「Ten twenty」と言うだけで、「dollars」は実は日常生活の中ではあまり聞きません。
「grand」は「1,000ドル」を意味します。日本人が抽象的に「高い」ということを言う場合の「100万円」と同じように、「10 grand」でなんかすごい高いものという感じにもなります。
ただし、上記の2点は日常会話では、めちゃくちゃ使われますが、ビジネスの打合せなどで使わないほうがいいです。
商談で価格を告げるときに「50 grand」なんて言ったら、怪しげな取引みたいになりますので気をつけましょう。あくまで、打合せのあとの飲み会などで、「その時計なんぼしたん?」「20 bucks」「10 grand」みたいな感じです。
2.事業採算がとれる
事業採算性調査の「feasibility study」は、もはや「フィージビリティ・スタディ」として日本語になっていますが、ある事業に採算性があるという場合、英語ネイティブのひとは、「feasible」よりも「viable」を使う方が多いです(地域によるかも)。
「profitable」もありますが、こちらはより短期的というか儲けに着目している感じです。
一方、「viable」は「長続きする=儲かる=事業として成り立つ」という感じでよく使われます。
The study showed that the project would be viable.
調査により本プロジェクトの事業採算性を取れることが確認できた。
「feasible」一辺倒をやめて、とっさに「viable」という単語を使えるようになるといい感じです。
3.「もうかる」のかっこつけた言い方
よく使う「もうかる」は口語的には「make money」(動詞)、もしくは「profitable」(形容詞)でよいですが、日本人ビジネスマンがあまり使うのを聞かない下記の単語をさらっと使えるようになると、鼻持ちならないキャラを演出できます。
Lucrative(形容詞)お金になる、儲かる
<例文>
How can you be so sure about opening a Takoyaki shop would be a lucrative business?
たこ焼き屋が儲かると、どうして君はそう、確信しているのかね。ん?
4.「あとで返しまんがな」と言いたいとき
「金を返す」というとどうしても「I will pay you back」と言いたくなり、間違いではありませんが、以下の単語はビジネスの現場でいろいろな意味で使いますので覚えておきましょう。
Reimburse(動詞)返済する、弁償する、金返す
辞書を引くと、返済する、弁償する、といった意味が出てきますが、「これちょっと払っといて。あとで返すから」的な意味合いでよく使われます。
Will reimburse you later
あとで返すさかいに。
ちなみに、出張経費の精算金を社員に渡すことも、「reimbursement」と言いますが、経費精算書はよく「Expense claim」と呼ばれます。
5.お金をくずしたいとき
海外出張に行って、現地で両替をすると、大きな単位の札ばっかりくれることはよくあります。両替は誰でもご存知 「exchange」でOKです。
とくに途上国だとタクシーの運ちゃんは、お釣り用の紙幣をあまり持ってなくて、高額紙幣はイヤがれることは多いです。そんなわけで50ドル札を10ドル札5枚に両替したいときの言い方は以下の通りです。
Could you exchange this 50-dollar to five 10-dollar bills?
この50ドル札を5枚の10ドル札に両替していただけますか。
Can you break this fifty into five tens?
この50ドル、10ドル5枚にくずしてもらえますか。
Do you have change for 50 dollars?
50ドルくずされへん?
たぶんどれも合ってます。お気づきのように、「くずす」ときも「exchange(両替/交換する)」や「change(釣り銭)」を使えます。
海外ホテルの受付で、さらっと「break ~ into ~」を使って両替を頼むと、こなれた感じのビジネスマンという印象を与えられるでしょう(どうでもいいけど)。
6.見積の内訳書は英語でなんというべきか
営業をしている方ならご存知の通り、売り手側はあまり見積書の内訳を出したくなく、買い手側はできるだけ内訳を知りたいものです。
これは世界的な共通事項で、見積書を出したら、たいていもっと内訳ほしいと言われます。
書類的には、単に見積書内の表の行を増やして、項目と金額を羅列すればそれ自体が見積内訳書になりますので、書類タイトルは、そのまま「Quotation(見積書)」でいいのですが、プラントなどの複雑な商品の場合、内訳書を単発の書類として出すこともありえますし、そもそも会話の中で内訳という言葉はよく出ます。
それで内訳書は英語でなんというのかなー、なんて我らがWeblio辞書で検索すると、なんと「Itemized Statement」という聞き慣れぬ言葉しか結果に出てきません。
それでこの「Itemized Statement」を今度はGoogle検索すると、これはどう見てもいわゆる「Bank Statement」的な明細書という意味であると出てきます。
Itemized Statementでもぎりぎり内訳として通じるとは思いますが、こういう辞書の検索結果は、日本人がよく変な英単語を書類で使ってしまう典型例かと思いましたので、ビジネスでよく使われる「内訳」の英語を紹介します。
Break up
Breakdown
upとdownってなんで反対やねんという感じですよね。
気をつけるべきは、前者はbreakとupが分かれており、後者はbreakdownでひとつの単語です。
前者をひとつの単語「breakup」にすると、「(恋人同士が)別れる」という意味になり、後者を分けて「break down」にすると、「壊れる」「破壊する」や「分類する」となり、見積内訳的な意味から離れます。
これ私も以前はよく混乱したのですが、今は以下のように理解しています。
Break up は、内訳にする(動詞)
Breakdown は、内訳にされたもの=内訳書(名詞)
バキッとブレイクアップ(内訳)して細かくなって下に落ちたのがブレイクダウン(内訳書)的な。
会話の中で、「内訳いんの?」みたいに軽く言うときは、「You want me to break up?」みたいに言います。
シンガポール人は内訳書のことも「break up」と言うような気がしたので、さきほどインターネットで調べてみたら、ネイティブのひとでも、Break upはよく使うが、Break downはあまり使われないと言っているひとがいたり、その逆の意見もありましたが、ややこしいので、私はうえのままで憶えておきます。
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ほかにもいろいろありそうですが、疲れたので今日はこの辺で。もう少し更新頻度を上げられるようにどりょくします。