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「いい感じ」は英語で何と言うべきか:いい感じのビジネス英語(48)

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著作権の消滅した昔の絵画やポスターの画像が無料でダウンロードできるArtveeというサイトすごいですね。

適当な単語で検索するだけで、見たことのない、多分死ぬまで見ることのなかったであろう美しい絵画を無限に見ることができ、時間を忘れます。

例えば上の画像みたいないい感じの絵(『ド・ブロイ公爵夫人の肖像』という絵で、23年前にメトロポリタン美術館で実物を見て感動、今でも脳裏にまざまざと浮かぶ「黒いインク壺の目」みたいな虚無的な両目が強烈です)の高解像度画像をダウンロード*1できるので、たぶんキャンバスなんかにプリントしたら、さらにいい感じに楽しめるのではないでしょうか。パブリック・ドメインなので商用利用も編集も可能とのこと。

 

『いい感じのビジネス英語』を英語タイトルにすると?

さて、そんな感じで、すぐにいい感じなんて「感じ」という言葉を多用するのは、すでに脳の退化が始まっている70年代生まれのおっさんなら仕方がないということにしておいて、そもそもこの『いい感じのビジネス英語』シリーズは、以下の記事から始まりました。

www.materialized.biz

読んでいただければ分かる通り、英語初心者があまり使わない値段の高い安いの表現の紹介でした。

シリーズの主旨は、上の記事の冒頭にも書いてある通りです。

シリーズタイトルを『ネイティブが使うビジネス英語』などにするのは、そもそも英語レベルが低くて英語ネイティブの友達などいない私には荷が重く、さらに『本当に使えるビジネス英語』なども、英語を自由自在に使いまくるひとに英語力の低さがバレて恥ずかしいだけなので、なんとなく『いい感じ』で逃げたというあたりが真相です。

しかしこの『いい感じ』という日本語は実際非常に便利な言葉で、なんでよいのかを説明せずに、なんとなくちゃんとした、というイメージを伝えられる曖昧な軽さを持った表現と言えましょう。

では、普段のビジネス会話において、こういう軽い感じで「エエ感じ」と言うときに英語ではなんと言えばよいでしょうか。

良いといえば「good」や「nice」ですが、これらは直接的に「良い」であって「いい感じ」のニュアンスがありません。

では、やや口語的に「cool」はどうかというと、私はおっさんなのでつい「クール」と言ってしまいがちですが、これはもはや現代の欧米の若者にとっては、ややダサい表現に取られることもあるようです(前後の文脈によってであって、絶対ではなく今でも普通に使われます)。

だからと言って、今風に「dope」などとビジネス会話の中で使うと、相手がおっさんだとまゆをひそめられることになりかねません。日常会話で冗談的には言うのは問題ないです。

また、「ill」や「bad」などの悪い意味の単語を反対の「良い」の意味で使うのは、ラップで歌われた詩を、聴くだけで半分以上理解できる英語力がないと逆にクソダサいので注意してください。

「良い」の形容詞はスラングも含めると限りがないのでこの辺にして、ビジネス会話で使えて、日本語の「いい感じ」のニュアンスを捉えた英単語はずばり、

decent

だと、私は信じて疑いません。

英語に慣れている方はご存知のように、この「decent」という単語、英語ネイティブのひとはやたらとめちゃくちゃ使います。それこそ日本人が「エエ感じ」というのと同様に。

辞書でひくと以下のような意味が出てきました。

(社会的規準からみて)見苦しくない、ちゃんとした、きちんとした、礼儀正しい、(人前に出られる程度に)何か着ていて、裸でなくて、かなりの、相当な、親切な、寛大な

https://ejje.weblio.jp/content/decent

人前に出られる程度に何か着ていて裸でないとはどういう状態か気になりますが、要は「ちゃんとした」もしくは「シャンとした」という意味ですね。

上にも(人前に出られる程度に)とあるように、「decent attire」(きちんとした服装)とか「decent hairdo」(ちゃんとした髪型)、「decent salary」(まともな給料)みたいに使われます。 

この記事シリーズは、仕事で英語が必要になったから勉強を始めた英会話初級〜中級者の方が、ちょっと気をつけて少し憶えるだけで、簡単に、もさい英会話から、英語をきちんとしゃべれる人の英会話のエッセンスをショートカット的に身につける、という意味での「下手でもちゃんとしたイメージを相手に与える」いい感じのビジネス英語の紹介であるため、タイトルを英語にしたら、

Decent business English

になるかな? と思ったけど

Speak decent English in business

の方が良いかもしれません。

これがもし「How to speak English fluently」(流暢な英語の話し方)や「Speaking English flawlessly」(完璧に英語を話す)なんてなると、ペラペラ英語はしゃべれない私の手には負えないので、その意味でもやはり「decent」は便利な単語です。

私の英語は「ペラペラ」ではなく「ヘラヘラ」ですが、それでビジネスで十分通用するので問題ありません。

次の単語が出てこず会話途中で詰まってしまうような「フラフラ」レベルから、発音は下手でも単語はなんとか止まらずに出てくる「ヘラヘラ」レベルになれば、英語を完璧な発音で話せる「ペラペラ」レベルになれるよう、脳の退化が始まったおっさんが血の滲む努力を続けて時間を浪費するよりも、自分の本来の仕事に関する知識・能力を身につけた方がよいことは言うまでもありません。

ちなみに、「Business English」(ビジネス英語)は、和製英語ではありません。

英語ネイティブではないひと同士のコミュニケーション言語としての「伝わる英語」というような意味があって、必ずしも仕事中に話す英語というわけではありません。

実は本記事は「いい感じのビジネス英語」シリーズの50本目の記事でした(途中で「番外編」と称して2回ほど番号なしの小ネタ記事を入れたので。後悔してるけど)。

ということで、ややバック・トゥ・原点的なことを思いついて記事にしてみました。

と、余談になりましたが、この「decent」はマジでめちゃくちゃ使われるのに、英語初心者の日本人の口からはなぜかまず出てこない単語なので、これを憶えておいて、とっさに使えると一気にいい感じの英語になります。

* * *

▽本記事は『I want the world to stop』を聴きながら書きました。

ほんまに世界が一時停止してしまい、もはや「I want the world to resume」ですけど。今聴いて、COVID-19のせいで失いそうなアレコレを思い出して、ちょっとエモーショナルな気分になりつつ、諦めの気持ちを快楽に変えるのを助けてくれるいい感じの曲です。


Belle & Sebastian - I Want The World To Stop (Official Video)

▽収録アルバム 

Write About Love

Write About Love

 
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