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アラサー/アラフォーのおっさんがシンガポールで服を買うオススメの場所(1):Suitsupply

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シンガポールの街は、マスタープランに基づいて整然と開発されているため、大都会ではありながら緑も豊富に残されているのですが、澄み切った青空の日は、青空までが人工的に見えます。それがシンガポールの魅力であり、つまらないところでもあり。

そんな快晴にも関わらず自宅に籠もる本日、YouTubeでなぜかシルヴィア・バルタンの名曲「あなたのとりこ(Irrésistiblement)」がレコメンドされ、若き日のシルヴィア氏のセクシーなすきっ歯のとりこになりながらも、右側の黒人男性ダンサーの他を圧倒するキレッキレのダンスがかっこよすぎて、完コピ目指してひとり部屋で練習していました。汗かいた。結果は散々。


Sylvie Vartan - Irrésistiblement (1968) [Reupload]

おっさんはシンガポールのどこで服を買えばいいのか

シンガポールではどこで服を買えばいいのか、それが長いこと悩みでした。

いわゆる世界のハイブランドはオーチャード通りやマリーナベイサンズに行けば、軒を連ねていますが、高すぎて買えません。

それで4年前に住み始めてからすぐに気づいたのが、日本でいうセレクトショップ(和製英語)がシンガポールにほとんどないことです。高級ブランドものか、ファストファッションブランドか、みたいな二択です(セレクトショップが全くないわけではなくそのいくつかを後日紹介します。今は写真ないので今度封鎖明けに行ってから)

シンガポール人は南国のせいか、超金持ちを除き、基本的に服装には無頓着なひとが多く、休日はTシャツ・短パン・ビーサンが大半で、仕事の日もスーツどころかジャケットも着ず、スラックスにドレスシャツだけというスタイルか、ポロシャツか、果てはスポーツブランドの化学繊維のテロテロシャツを着ているひとさえいます(テロテロシャツにウールのスラックス履くのはくそダサいからやめてほしい)

そこで、ビームスとかユナイテッド・アローズとかもっと進出したら流行るんちゃうかなーと思って、ファッションへの並々ならぬ関心と知識を併せ持つ、珍しいタイプのシンガポール人の若者I君と話していたら、彼いわく「シンガポール人はブランド好き。誰でも知ってるような名前がなければ、日本のビームスみたいな値段のものは買わずに安いのに行くからビジネスはしんどいと思う」とのこと。

なるほど、狭い国で高速道路の最高制限速度が90km/hしかないのに、外国のごっつい高級車は売れるけど軽自動車が売れないのと似たような現象かと納得しました(車両価格自体が高く、さらに車を買う権利さえ数百万円という大金出して買う必要があり、同じような金額を払うなら小さい車は選びたくないという心理はわからないでもない)

そんな中、街中のハイブランドショップ、例えばエルメスなんかに足を踏み入れると、まじでクレイジーリッチなシンガポール人の奥様を見ることができておもしろいのですが、それは例外、実際はユニクロが大人気で、休日はレジ前に長蛇の列ができます(平常時)

私もユニクロでいくつか買ったりしていましたが、ある日、会社で私を含め3人が同じネイビーのポロシャツを着ているという恥ずかしい事案が発生し、それ以来、ユニクロはやめ、少なくともポロシャツはオリジナルと言い訳できるように、ラコステのものしか着ないようにしました。メジャーではありますが、ラコステは通常150ドルくらいするので、あまりかぶりません。

これと似たような経験をお持ちで、シンガポールに住み始めて間もないアラサー/アラフォーの男性に向けて、シンガポールでいい感じの服を買える場所をこれから何回かに分けて紹介していきます。

スーツの仕立て屋は数多い

第一弾は、スーツから。

前述のI君の働く某フランス系重電メーカーでは、フランス人男性のほとんどは職場でジャケットを着ているそうです。リネンジャケットとか。ネクタイはなし。かたや日本のメーカーは中途半端なドレスシャツにスラックスばかりです(偏見)

というわけで、スーツを着ないでよいなら逆にもっとスーツを着たくなるというのが人情というもの。シンガポールでスーツを仕立てようとしたことがあります。

旧英国植民地ということもあり、そうした英国由来の仕立て文化が色濃く残っており、仕立て屋は街でよく見かけます。ただし、1着200ドルなどの激安を売りにしたところも多く、そうしたところは当然パターンオーダーかつ生地も化繊混のウール(中国製)ばかりです。

それでまたもI君に紹介してもらって行ったのが、Dylan & Sonというビスポーク。

goo.gl

まだ若いシンガポール人オーナーがやっているようで、きちんとクラシックの基本を抑えながらも最新のトレンド研究も怠っていないような雰囲気があり行ってみましたが、あえなく撃沈しました。

1着15万くらいならなんとかと思ったら、好きな生地をちょっと選びつつ採寸前に料金訊いたらなんとミニマム仕様で30万円・・・。ビスポークならそんなもんかもしれませんが、もしそれだけ払ってスーツ作るなら日本でしたいわ、ということでそそくさと退散しました。時間取って申し訳ありませんでした。

ただ、ここは評価も高いので、お金は気にせず良いスーツをシンガポールで作りたいという方は試されてはいかがでしょうか。

店はTelok Ayer通り沿いのプラナカンスタイルのショップハウス2階です。入口ドアにさえ看板も何も出ていなかったので、入るには結構勇気がいります。入ってしまえば、オーナーの兄ちゃんは結構若いので話しやすかったです。事前のアポイントメントが必要。Facebookページから。

そしてとりあえずSuitsupplyが無難という結論

というわけで既製服のスーツ屋を探して見つけたのがオランダ本社のSuitsupplyです。

apac.suitsupply.com

なぜか日本にはまだ店舗はないようですが、世界的に展開する既製服&イージーオーダーも手掛けるスーツ屋さんです。

シンガポール店は、IONオーチャードの3階にあります。

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奥まった場所にあり、入口がめちゃくちゃわかりにくい。

IONの正面玄関入って右側方向のエスカレーターを3階まで上がった裏手の奥の奥です。

日本のSuit CompanyとかSuit Selectみたいな名前で、サイズ別にスーツが吊られた店内は似たような感じです。ちなみにSuit Selectは数年前までシンガポールにあったがすでに撤退した模様。

大量生産の既製服を連想させるような店の名前で、実際、製造は中国で行われていますが、生地やパターンには拘っており、細身からクラシックなもの、英国式からイタリアンスタイルまで複数あります。

ピュアウール Super 100'sのハーフキャンバススーツで70,000円くらい、S160のフルキャンバスで12万円くらいです。とくに後者はブランドものだと20万円以上しそうな仕様なので、コストパフォーマンスは高いと思います。

最も安いもので、イタリアのカノニコの生地使って50,000円弱(ハーフキャンバス)からあります(ちなみにカノニコはVitale Barberis Canonicoの頭文字をとってみんな「VBC」と言います)

日本のSuit Companyなどもピンきりではありますが、全体的にはややそうした店よりも高めかもしれません。

ただ、結構良い生地を使ったスーツを選べますので、仕立て屋で20万超えはきついし、仕立てるなら日本がいい、という方にはおすすめできます。

というか、シンガポールには他にSuit Companyみたいな店がないです。これはちゃんとした生地のものを扱うという意味で、化繊まじりの既成スーツばかりを安く売る、見た目だけ今風なスーツ屋は他にもありますが、アラサー/アラフォーには決しておすすめできません。

ただ、私の持っているS120'sのスーツはたしか80,000円くらいしたのですが、たった3日の着用で、ズボンのベルトループの下あたりがほつれました。縫製の品質はそれほど高くないかもしれません。まだ一回しか買ったことないのでたまたまかもしれませんが。

また、シンガポール店は、事前にWEBサイトで欲しいスーツの目星を付けていっても、店舗にはサイズがなかったり、そもそもそのスーツ自体の在庫がないということが結構ありました。

よって、一度店舗でいくつか試着し、自分にフィットする型を知っていれば、オンラインストアで注文しても良いと思います。直しもやってくれます。

私がシャツを自宅からオンラインで購入したときは、アメリカのニュージャージーから発送され、シンガポールまで2、3日で届きました。DHLで送ってくれます。

なお、シンガポールでは輸入関税は一部嗜好品を除き基本ゼロですが、輸入時GST 7%はかかります。ただしこのGSTは申告価額400ドルぴったりまでは免税されます。

オンラインでモノを買うときは、400ドルをちょっとだけ超えたりするともったいないことになりますのでご注意を。

2〜3万の安いスーツと15万円以上の高いスーツのちょうど間ということであれば、いまのところシンガポールにはSuitsupplyしか選択肢がないのではないでしょうか。ほかにご存知の方いらっしゃれば教えていただければ幸いです。

大阪のリングヂャケットとかシンガポール来てくれたら、日本製ということで結構いい感じに売れそうなんですけどね。香港にはすでに代理店あるっぽいし。

ただ、やっぱりスーツ自体の需要が少ないのと、安い仕立て屋が街中にたくさんあるというのも、ほかのSuit Companyなどのスーツ屋さんが進出して来ない理由なのかもしれません。一方、ドン・キホーテの勢いはすごいです。

服の直しについて

オーチャード通りからも歩いていける距離に、Far East Plazaという古いショッピングモールがあります。ここは、仕立て屋や直し屋(Alteration shopという)がたくさん入っていることで有名です。goo.gl

オーチャードあたりで服を買って、直し代がぼったくりと感じたり、時間がかかって待てないと思ったら、自分でここに持ち込むのも手です。いろいろ回って、安くて速いところを見つけるのも楽しいです。

ただし、ハズレもあります。私は一度トラウザーの裾上げダブル4cmで頼んだのに、できあがったものを見たら、なんと幅2cmというダサい裾上げになっており、さらにアイロンでおさえただけでした。。。

たしかに聞き間違えられないように「フォーシーエム」と伝えておっさんメモ取ってたはずなんですけどね。

www.materialized.biz

 4階のClancy Boutique Alteration Centreはちゃんとしてましたが、おすすめできるかと言われると微妙で、私もほかにも試してみたいと思います。

▽この記事はこのアルバムを聞きながら書きました。

President Plays With the Oscar Peterson Trio

President Plays With the Oscar Peterson Trio

  • アーティスト:Lester Young
  • 発売日: 2011/03/01
  • メディア: CD
 
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