コーヒーが好きで、毎日だいたい4〜5杯飲みますが、これまで豆や淹れ方にそれほどこだわってきたわけではありませんでした。
40歳を超えると、段々と酸味のあるコーヒーが好きになってきて、昔ながらの純喫茶店で「ブレンド」と言って出てくる普通のコーヒーは、たいてい酸味が強めな理由がなんとなくわかった気がしました。
そんな嗜好の変化はありつつも、淹れ方はマグカップの上に直接ドリッパーを置いてのペーパードリップを過去20年以上続けてきました。
しかし先日、Amazonで本など買い物していると、何故かお勧めに信楽焼の小さなカップ&ソーサーが表示され、それほど高くもないので衝動買いしました。
これでコーヒーを飲んでみると、長野県にスキー旅行に行って泊まったペンション、もしくは山小屋で出されて飲むコーヒーみたいな風情が強烈に感じられ、マグカップよりも美味しく感じ、しかしカップが小さいので物足りない。もっとこの風情を、ノスタルジアを存分に味わいたい。
というわけで、シンガポールの東急ハンズでコーヒーサーバーも買いました。これです。
グッドデザイン賞を受賞したというこのサーバーは、形状がまるでうんこ💩で、コーヒーを入れるとさらにそのうんこ感がいや増すのですが、購入の決め手は、持ち手から蓋まで全て耐熱ガラスでできているというところです(蓋のパッキン除く。取り外し可能)。
私はハリオの耐熱ガラスの手触りとその透明感が好きで(計量カップもハリオのガラス製を使っています)、持ち手もガラスだとプラスチックよりもなんとなく気分が高まります。
サーバーからカップにコーヒーを注いでみる
さて、このサーバーにコーヒーをたっぷりと作ってみて、先程の信楽焼のカップに注いだ瞬間、私の頭に白々しい電撃が漫画的に走りました。
ジョロジョロジョロ・・・ちょろっ。。。
この感覚、このめんどくさくもめんどくさいことをわざわざやる大人の余裕感。
ハリオのサーバーをそっとテーブルに置き、耐熱ガラスの滑らか、かつ舐めやか、というか艶やかな取っ手から手をそっと外し、信楽焼のやや肌理の荒いカップの縁に唇を付けコーヒーを啜ると、何故か昔の金曜ロードショーのテーマソングが脳裏に流れ、振り払うのに難儀しました。若い方はご存知ないと思うので、YouTubeリンクを貼っておきます。
もはや私は、この映像の中で波止場に立つパーマのおっさんよりも年を取ったのだと思うと感慨深く、コーヒーが塩辛くなったような気がしました。
そして、この感覚は、ジャケットからわざわざレコード盤を引っ張り出して、ターンテーブルに置き、針を手でそっと落とす感覚に近いことに気づきました。
今日の日記は以上です。
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コーヒーメーカーを使っている人なら、サーバーからカップに注ぐという行為は毎日行なっているのでしょうが、私にとっては、この面倒くささを日常の行為に導入する事のリッチ感に病みつきになり、さらにコーヒーの消費量が増えそうです。
というわけで、マグカップに直接注いでいるという一人暮らしの方には、上で紹介したグッズをおすすめします。
ドリッパーは、同じくハリオのステンレスのものを使っています。ガラスとか高い銅のやつにするのはちょっとやりすぎ感があるのでまだやってません。