ハロー。みなさまいかがお過ごしでしょうか。
私は、日本の無能政府による人災とも言える感染者急増の影響で、シンガポールがまたまた規制を強化、年末に日本に行ける可能性がさらに減って、やさぐれています。
シンガポールで働いている方はご存知かと思いますが、シンガポール=日本間で合意されているReciprocal Green Lanes(RGL、相互グリーンレーン)は、医療などの重要目的もしくは公用目的での「短期出張者」(最大30日)の入国をお互いの国で認めるものです。
年末の正月休みにレジャー目的(と言っても日本で2週間自宅待機)で日本に帰りたいというような、シンガポールで働く日本人に適用されるものではありません。
一方、日本人であれば、訪問国によっては必要な事前申請などをシンガポール出発前にする必要はなく、普通にチケットを買えば日本に行けますが、日本滞在中にMOM(労働省)にシンガポール再入国申請が必要で、これがまた知り合いや旅行代理店に聞く限り、日本人の申請はかなり却下されているそうで、3〜4回目のアピールでようやく承認されたなんて、洒落にならん話もちらほら聞こえ、帰る決断をするにあたり、かなり二の足を踏まされまくりまくっているところです。
英語と日本語の違いによる使いにくさを克服すれば超便利
さて本日は、「ほとんど誰でも知ってる単語なのに、意外と日本人は使わないが、使いこなせれば超便利な単語」という手抜きな切り口でいきたいと思います。
その単語は、「encounter」です。意味は以下の通り。
encounter
(偶然)出会う、出くわす、遭う、遭遇する、(…と)会戦する
ドラクエで敵に遭遇することを「エンカウント」というので、多分小中学生の頃からなんとなく意味を知っていた単語です。
主な意味は確かに「遭う」で、偶然出会う的なニュアンスがあるとはいえ、実はビジネス英語ではこの単語をかなり幅広く活用することができます。
つまり「〜になった」と言いたいときに、英文でどう表現したものか、能動態? 受動態? なんて迷った時は、だいたい「encounter」を使えば、文章を強引に、それっぽく組み立てることができます。
例えば、冒頭に挙げたような「いくつかの顧客は申請が却下された」と言いたい場合に、「Some of our clients were rejected」? 「The applications by the clients were rejected」? なんて迷って、英文に自信がなくなってきた場合、以下のように「encounter」を使うとスッキリします。
Some of our clients encountered rejection for their requests to fly back to Singapore.
うちのお客さんの何人かは、シンガポールへの帰国申請が却下されました。
英語で会話していて、主語を省略しがちな日本語との違いで戸惑うところは、というか英会話において初級者と上級者を分ける最大の違いは、「自動詞、他動詞」「能動態、受動態」というよくわからんものを瞬間的に使い分けることができるかどうかです。
自動詞、他動詞なんて、どれが自動詞で、これが他動詞なんて覚え方はいちいちしてませんし、なんとなく、英語になれるうちにパターンを覚えていけば良いと思います(なんとなくだから私は永久に英会話中級者なのですが)。
しかしビジネスの現場で、文章の組み立てに戸惑っていては会話にならないし、会話から置いてきぼりを食らったらむかつくし、ビジネスで相手に英語が下手だからという理由で、ナメられたらあきません。
そこでこの「encounter + 名詞形」を使うように心がけていると、そうしたことをとっさに回避できます。
要は、受動態とかようわからん場合は、主語を人に決めて、使いやすい他動詞であるencounterの後に名詞をくっつけて、さっと言ってしまうということです。
例文をもう一つ。
「もらうつもりだった校正ガスの見積書が遅れてます」なんて言いたい場合、「The quotation for the calibration gas was delayed」? 「We were late in getting the quotation for the calibration gases」? などと迷ってしまった場合は、主語を「我々(弊社)」にしてしまって、「encounter」を使います。
We have encountered a delay in receiving the quotation for the calibration gases.
【意訳】受け取るはずだった校正ガスの見積書が遅れています。
これも「encounter」+「名詞」となっています。
自動詞とか受動態のわけのわからなさにとりあえずおさらばして、スッと口に出せます。
「発生する」にも使える
このほかにも、「遭う」を「発生する」としても使えます。
例えば、
You may encouter serious problems in future unless you do periodical maintenance.
【意訳】定期点検を怠れば将来大きな問題が発生すると思います。
もちろん元の文の意味としては「問題に遭遇する」なのですが、自然な日本語の文章としては「あなたが、問題に遭遇する」よりも「問題が、発生する」であって、このように「発生する」が「happen」? 「occur」? 「occurrence 」? などと迷うくらいなら、使いやすい「encounter」で簡単に言い換えることができます(自然な日本語でなくとも自然な英語になるということ)。
もちろんここはもっと簡単に「have」を使っても良いのですが、いうまでもなく「encounter」の方がいい感じです。
* * *
冒頭にも書いたように、正月休みに日本に帰れないかもしれず、ロンリークリスマスとロンリー大晦日とロンリーニューイヤーをシンガポールで過ごすことになりそうで、やさぐれた気分の私は、いつもは定期的に変わる各種音楽ジャンルへの傾倒がすべてフラットになって、音楽不感症みたいになってしまい、最近リハビリ的に(?)ヘンデルのヴァイオリンソナタばっかり聴いて現実逃避をしています。散々だった2020年の年末に自暴自棄にならず、賢者モードで締め括るのに最適な一枚です。
▼この記事はこのアルバムを聴きながら書きました。

Handel: Complete Violin Sonatas Op 1
- アーティスト:Handel / Hossen, Mario / Barbareschi / Kehayova
- 発売日: 2020/06/19
- メディア: CD