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ビジネスでよく使う「無償/有償」の使える英語表現:いい感じのビジネス英語(38)

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日本語ビジネスの世界では、「無料」「有料」と言いたいときに、「無償」「有償」という難しい言葉がよく使われます。

私の近年めっきり欠落気味の個人的記憶をたどると、学校で「無償」「有償」という言葉を教わった記憶はなく、働き初めてから、なんとなく周りが使ってるから、という流れで自然と使い始めた記憶があるような気がしていることに今なりました。

「無料」とは、金銭的な見返り(支払)が必要ないという意味で、一方の「無償」は、金銭に関わらず、すべての見返り(支払/償い)がいらない、という意味です。無償の愛、みたいな。

しかし、ビジネスの現場においては、基本的に「無償」「有償」イーコール「無料」「有料」と考えて、ほぼ差し支えないと思われます。

なお、英語で「無償」に相当する言葉はないか、と言われるとそんなことは多分なく、例えば「without compensation」などは「無料」というより「無償」という意味合いに感じます。(報酬は「compensation」や「remuneration」)

ちなみに、「有償ベース」という和製ビジネス用語は、なにもしてないのに、なにかちょっとプロっぽい付加価値を言葉の上だけで付け足したような気にさせてくれる素晴らしい表現だと思います。

「無償」「有償」をオンライン辞書で調べると、「無料」「有料」での検索結果とほぼ同じものが出てきます。

ともあれ、今回の記事では「無償」という日常生活では使わない言葉が、あまりにもビジネスの現場では頻繁に使われているため、オンライン辞書でも「無償」という単語で検索してしまい、「for free」と言っておけばよいのに、「gratis」などというマイナー英単語を、「無料」ではなく「無償」のそれっぽい単語だと勘違いして、無理に使ってしまうことを避けられるように、実際のビジネスで使える「無償」「有償」を紹介いたします(「gratis」を自然に使えたらそれはもう英会話上級者と思います)。

 

無償の言い方いろいろ

英会話が初~中級レベルの日本人ビジネスマンが、「無償」の英語でよく使う表現が「free of charge」です。学校でしか英語を勉強しなかった人は、ビジネス会話ではこれ一辺倒になっている傾向が見受けられます。

「チャージのフリー」→「請求がタダ」→「無償」です。

決して、間違いではありません。日常でもビジネスでも普通に使えます。しかし、ビジネス英語をいい感じにするためには、ほかの表現も覚えてぱっと使えるようにしておくと良いです。

すでに脳内の奥底に刷り込まれた「free」という単語を使いつつ、「free of charge」一辺倒を避けるには、「for free」を織り交ぜると良いです。

例文

They gave me a chocolate for free.
なんやチョコレートただでくれよったで。

 

ちなみに「free of charge」は前に「for」がいりません。

This service is provided free of charge.

このサービスは無償で提供されています。

1. at no cost

これは「無償で」という意味で、たいてい文章の最後に追加して使います。便利。

例文

You have to rectify the problem at no cost.
無償で修理してもらわな困るで。

2. free issue

「無償交付」や「無償供与」という意味で、ビジネスでは非常に使いやすいです。「be free-issued」とすることで、無償と提供を一度に言えます。

例文

Free issue materials
支給品

 

Steel materials shall be free-issued to the fabricator.
鋼材は製作会社に無償供与すること。

3. complimentary

これはおまけ。海外のホテルの部屋にあるペットボトルの水に「Complimentary」と書かれたタグがぶら下げてあることがあります。これは「(お客さんに謝意を表して)無料」という意味です。

常識的ではありますが、実は注意すべきは、「complementary」(補足的な)とスペルがめちゃくちゃ似ているということです!

ちなみに、海外のホテルでは、たいてい部屋に無料のペットボトルの水が2本程度置いてあります。そして備え付けの電気ポットの横あたりに、やたらと高いエヴィアンやらアクアパンナなどの大きいボトルがこれみよがしに置いてあります。

これは「水はボトル2本/日を超えたら有料になりますよ」というメッセージではありません。というか逆に「2本を超えたら有料と思わせて高い水を買わせる」トリックのようなものだとさえ思います。つまり、私の経験上、フロントに電話して「水持ってきて(Can you bring me water please?)」と言えば、タダでペットボトルを部屋に持ってきてくれます。いままでそれで追加料金を請求されたことはありません(アジアでの話)。

 

有償の言い方

上で「at no cost」が「無償で」と書きましたが、残念ながら「at cost」にすると、「有償で」ではなく、「実費で」とか「原価で」と言った意味になってしまうので注意が必要です。

5.chargeable

というわけで、「有償」とシンプルに言いたい場合に覚えておくべきは、「chargeable」です。これが非常に便利。文章でも会話でも使えます。

ただし、この単語自体は、「負わされるべき」と言った意味を持ち、文章によっては日本語の「有償」という意味になりません。以下例文です。

例文

The dinner we had last night should be chargeable to the company.
昨日の晩飯、会社につけといてええやろ。

 

しかし、次の文では「有償」という意味で使えます。

Dispatching our engineers to the site is chargeable.
現場に弊社のエンジニアを送るのは有償になります。

 

Second round will be chargeable basis.
二杯目は「有償ベース」ですんで。

ちなみに、これと反対の単語と考えてしまいそうな「payable」があります。これは「払うべき」という意味ですが、「Account payable」で買掛金という意味となり、会計用語的です。その反対は「receivable」(Account receivable=売掛金)です。「chargeable」の反対は、、、「non-chargeable」=「free of charge」です。

実際の会話では

上に紹介した、「free issue」とか「chargeable」は、ご存知なかった方はぜひ、「free of charge」と混ぜて使うと良いと思いますが、外国人との会話中に、「無料」「有料」に対応する言葉がとっさに出て来なかった場合は、普通にさらっと「pay」を使えばそれで事足りる、ということも覚えておいて損はないでしょう。

例文

No need to pay.
タダやで(無償です)。

 

You'll have to pay.
金いるで(有償です)。

以上。

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