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ハリオの耐熱ビーカー(計量カップ)をオススメする

在宅勤務が続くと年中クソ暑いシンガポールでは電気代が上がる。

しかし自炊する回数が増えて外食が減るので、食費は減る。

ところが家にいる時間が増えると読書量が増えるので、書籍代が上がる。

おまけに本を読む時間が増えるとソファで寝落ちする回数が増えて電気代が上がる。

その上、本を買う時にAmazonでついでにいらんもんを買ってしまいカード請求額が上がる。

ゆえに、在宅勤務は金がかかる。在宅勤務手当ないしムカつく。

などと、思念以上、独り言未満くらいのリアル感で文章的に考えていたら、Amazonで本と一緒に購入したハリオのビーカーが、そんな鬱屈とした在宅勤務生活に涼感をもたらし、QoLを上げてくれたので、ここで紹介しておきます。

耐熱ガラスの気持ちよさ

ハリオ(HARIO)は、日本の耐熱ガラスメーカーです。とくにコーヒー関連器具で有名です。以前紹介した通り、コーヒーサーバーもドリッパーもハリオ社製を愛用しています。

ハリオ製品はシンガポールの高島屋や東急ハンズでも売っています。しかし日本で買うより高く、私の場合は多少送料がかかっても、Amazonで本などと一緒に購入してきました。

ここで時は無闇に遡ること30年前、私が中学生の時分、『ジョジョの奇妙な冒険』第三部の主人公、空条承太郎の好きな色は「透明感のある色」と書かれているのを読みました。

「なるほど、好きな色を聞かれても好きな色、良い色なんていっぱいあるやん。"色に貴賎なし"やろ」などとかっこいいことは当時考えていないものの、「そんな答えるのが難しい質問に対して「透明感のある色」とはぐらかすような、判断基準の次元を追加するような回答の仕方があるんか」などと、多分中2の時にやたらと感心し、それ以来、実際に透明感のある色が好きになりました。

というかそういう回答をしたらちょっと他人と差別化できてええ感じやん、などとまさに中二病的な意識があった事は否定しません。

ともあれそれが嵩じて、社会人になってからは、透明カラーで硬い感触が触って気持ちいいポリカーボネート製のカルテル(Kartell)の家具を集めたりしています。余談ながら、カルテルはシンガポールではTai SengにあるLifeStoreyという店で実際に見て買うことができます。

そんなポリカーボネート・フェチが、手に持つだけで砕け散る可能性をキンキンに感じさせてくる冷たい印象のクリスタルガラスとは異なり、同じくらい透明感がありつつも、ヌメっとした感触とフェザー・ライクな軽さがなんとも言えない心地よさと暖かさを感じさせてくれる耐熱ガラス・フェチになるのは、至って自然な流れといえましょう。

多分20年くらい使ったプラスチックの計量カップが内側にひび入りまくりで色もくすんでみすぼらしいことこの上なし。

こんなん使ってたら料理できないやつというか、服装には気を使うくせに計量カップには気を使わないダサい男、と思われるかもしれん、男にとって重要なのはファッションへの拘泥よりもスタイルの確立、などと心の中で呟きながら、小洒落た計量カップを求めて東急ハンズで物色。

プラスチックのはやはりスタイリッシュさに欠ける、しかし、ガラス製の赤い線の入った軽量カップは持つとずっしり重く、瞬時に賃貸マンションのガラストップコンロに落としてガラスが欠けくさり、敷金トラブルに見舞われる未来が見えたため見送り。

したところAmazonにあったハリオの計量カップ、というか実際は理化学用ガラス製品としてのビーカーが、シンプルなデザインでものすごくカッコ良い。目盛りも50 ml単位でスッキリしている。

ガラスだがそこはハリオの耐熱ガラス、薄くて軽いのは間違いないだろうということで、下記の計量カップを買ってみました。たったの880円です。

円筒型やらフラスコ型まで種類は豊富

いろんな大きさ・形状のものがあります。

しかしここは、最初に社会人としてのイロハを教え込まれた今は亡き昔の上司直伝の金玉玉条「大は小を兼ねる」に従い、500 mlのものを購入しました(最大の1,000 mlは軽量カップとしては大きすぎる)。

実は購入前、三角フラスコみたいな形のものにも惹かれたのですが、現世の真理「大は小を兼ねる」を貫き通し、円筒形の500 mlにして正確でした。理由は後述します。

しかしながら、上の500 mlのものは直径が95 mmほどあり、通常の計量カップのように持ち手がないため、私のように手が小さめの人、とくに女性の方には少し扱いづらいかもしれません。より縦長で細めの500 mlもありました。こっちの方がよりスタイリッシュかもしれん。

計量以外の使い道で真価(?)を発揮

買ってしばらくは普通に計量カップとして、何の問題もなく、るんるんで使っていました。

しかし最近、その耐熱性を生かし、簡単かつ豪快にアイスティを作れることに気づきました。

孫の手がわりに耳かきで背中を掻いたときなど、その道具本来の目的とは異なる目的で使えることを見出したる時、工業デザインの奥深さに思いが至ります。口が狭いフラスコ型を選んでいたら、こんな計量以外の使い方はできなかったでしょう。

作り方は以下の通りです。

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  1. 300 mlのお湯にリプトンのティバッグを3つ入れて、濃ゆい紅茶を作る。
  2. その後、冷蔵庫にある氷を満タンになるまで投入する。

以上です。

別の入れ物で熱い紅茶を作ってから、氷を入れたガラスのコップに移し替えるなどめんどいことをせずに、作ってそのまま飲むことができ、ビーカー自体が美しい形状をしているので、グラスに入れ替えずテーブルに置いたとしても、都会的でスタイリッシュなライフ・スタイルの演出が可能です。

例えばこんな風にしてみて。

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スタイリッシュかどうかはさておき、サブウェイのサンドイッチとの比較で、ビーカーの小を兼ねた大の安心感が際立つとともに、透明感のあるガラスが1個5円以下のリプトン紅茶をたいそう美味しそうに見せています。

洗い物を減らすこともできるので、このビーカー、計量カップとしてはもちろん、コップとしても大変におすすめです。

値段も安く、計量カップはこれ一択ではないでしょうか。

おまけ:ティーバッグをぶら下げた光景から連想したこと

ところで、ティーバッグをビーカーの縁にぶら下げてみて思い出したのは、ある小説のワンシーンで、思い出したというより、最近読んだそのシーンがあまりに印象的だったため、霊妙なる無意識の作用によりティーバッグをビーカーにぶら下げて紅茶を作ることを思いついたのかもしれません。

その小説は、ルシア・ベルリンというアメリカ人女性作家の短編集『掃除婦のための手引き書』の中にある一編「ドクター H. A. モイニハン」です。

未読の方の楽しみを奪うのを避けるために、どういうシーンであるかは書きません。

お話としては、偏屈な爺さんの歯科医が、自分の歯を抜くのを孫娘に手伝わせ、抜いた後で自分が作った傑作入れ歯を入れてご満悦、というわずか10ページほどの短い話です。

しかしそこに出てくる地獄絵図なのにめちゃくちゃ笑えると同時に、神秘的でさえあるその情景描写は、多分今まで読んだ小説の中でも極上の部類に入るものでした。

他の作品も全てめちゃくちゃ良いです。ヴァラエティに富むその内容が実人生に基づくというのもすごい。緊急事態で街に出れない昨今、こちらの本もオススメしておきます。2019年にようやく邦訳が出たもので、日本では結構話題になったらしいですが、これは本当に良かった。

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