忍者ハットリくんに出てくる獅子丸の好物ちくわは、インドで放送されるときは「チョコレートロール」という翻訳吹替えになっているそうです。
「あれは日本のチクワ、つまりフィッシュケイクやで」と言ったら、同僚のインド人はまじで信じられないという顔をしていました。シーフードを食べるインド人は結構多いとは言え、やはり菜食主義者の多いことに配慮してのことなのでしょうか。
しかし、チョコレート味のヨックモックで水遁の術をしたら、すぐにふにゃふにゃになって溺れてしまうと思います。
つい口にする表現を別のものに置き換える
さて、相変わらずネタ切れなので、今回は私が普段の英会話でよく使うもので、英会話初心者が使うようにすることで、会話が上達したような気になる表現をいくつか、つい言ってしまう表現の置き換えに着目して紹介します。
1. understand → figure out(理解する)
これは海外ドラマや映画を見る人はご存知かと思います。アメリカ人の会話における「figure out」の頻出っぷりは半端ではありません。
「理解する」「把握する」「解決する」といった意味があり、ビジネス会話では、何かよくわからないことを調べてわかるようにする、という意味合いで使います。
We need to figure out the market share held by Company A.
我社は、A社のマーケットシェアを把握する必要があります。
OK. I'll figure it out.
はいよ、ちょー見とくわ。
この「figure it out」が本当によく使われます。
意味は「わかるようにする」=「調べておく。見ておく」というものですが、情報という形のないものに形を与えるようにして理解するというニュアンスが、日本語話者にはややとっつきにくく、「理解する」は「understand」一辺倒になって、「figure out」が身につきにくいのだと思われます。
「あいる ふぃぎゅりらぁう」。これを綺麗な発音で自然と口から発せられる人は英会話上級者と言っても過言ではありません。私は中級者なので、いまだにこれをアメリカ人のように自然に使いこなせていません。
2. Therefore → That suggests(つまり)
英語に不慣れな日本人による学会発表スピーチなどを聞いていると、やたらと「therefore」を使っているのを聞きます。
「我思う、故に我あり」は英語で「I think, therefore I am.」と訳されているように、なんか少し堅苦しい「ゆえに」といった感じなのですが、英語スピーチなどでは、ちょっとした、「つまり」「だから」に「so」ばっかり言ってるとアホっぽくなるので、「therefore」を混ぜている感じです。
わからんでもありません。「thus」とか「hence」はもっと書き言葉っぽくて「therefore」はそれより少しだけ会話で使ってもOKな雰囲気があるので。
しかしビジネス会話、学会発表などの場においては、軽い感じの「つまり」「だから」と言いたい時は、そんな接続詞にこだわらずに「That suggests」を使うことをお勧めします。
直訳すると「それは〜を提案する」ですが、意味合いは、「要は〜」「だから〜」「つまり〜」という感じで使えます。
That suggests they are all idiots.
直訳:それは彼らが皆愚かだということを示しています。
意訳:要はあいつら全員アホやということ。
「This table shows 〜」とか「this result indicates 〜」みたいな表現は論文などでよく使われますが、実はそういうのを会話の繋ぎ言葉に使うと、「接続詞」ばっかり使うのよりも、こなれた英語になります。
3. I don't want to 〜 → I am not in a position to
仕事をしていると正直やりたくないことはいっぱい出てくるものです。
しかしそんな時に「I don't want to do」なんて言ってしまうと、こいつは洗練されていない大人だと思われてしまいます。
よって、だるいから嫌なとき、そしてそれを断れる状況にある場合は「やりたくない」と言うのではなくて、「それをやる立場にはない」と遠回しに言い換えましょう。
I am not in a position to make a decision on that issue.
直訳:私はその問題に関する決定をする立場にありません。
意訳:そんな問題知るかいな。勝手に決めて。
超訳:やりたない。
以上。