母国を離れて海外で働くひとの強い味方、TransferWise(トランスファーワイズ)がこのほど、シンガポールでもDebit Mastercard(デビットカード)の発行をはじめました。
TransferWiseは、たしか元Skypeの頭がいい人が開発した、全く新しい仕組みの国際送金オンライン・サービスです。
送金の仕組みは、いろんなところで紹介されているので割愛するとして、とにかくシンガポールの口座から日本の口座にお金を送金する際の手数料がごっつう安くなったので、これまで何回も使ってます。
サービスの内容はTransferWiseの公式サイトでご確認ください。
初めてのときは若干不安がありましたが、使ってみると、直感的でわかりやすいユーザー・インターフェスがとても心地よく、個人的な国際送金には、一切銀行サービスを使わなくなりました。
そんなTransferWiseが、新たなサービスとしてデビットカードの発行を始めました。早速申し込んでみたところ、カードはたった2日で届きました(シンガポール国内から発送)。
このド派手なカードを剥がすと、その下に「Share...but not too much. - Cover your card number if you're sharing on social media.」と書かれていて、おカタい銀行とは異なる今風な感じが楽しげです。
さよなら銀行、こんにちは世界:銀行手数料ゼロで両替の手間もなくなる
TransferWiseのサイトからDebit Mastercardを申し込むと、数日でカードが手元に届きます。
そしてそのカードを携帯アプリ上でアクティベートすることで、TransferWiseのアカウント上に、バーチャルなボーダーレス口座が自動的に作られます(暗証番号も携帯アプリ上で見ることができます)。
そしてそのバーチャルな通貨口座にお金を事前に送金しておくと、出張や旅行で海外に行った際、世界中だいたいどこでも(40通貨対応!!!)、このカードを使ってATMから現地通貨の現金を引き出すことができ、Masterデビットカードなので普通にカード支払いもできます。
銀行が発行する従来のデビットカードでも同様に現地通貨はATMで引き出せましたが、その際、両替料やら銀行手数料が差し引かれました。キャッシングとかいやです。
それがこのサービスを使うと、すでにTransferWise上で銀行手数料ゼロでボーダーレス口座に送金済であり、現地のATMでこのカードを使って同口座から現金を引き出しても、銀行手数料はかからない! という仕組みです。
また、海外に行く場合、例えば出発前に空港なんかの両替商で両替すると、必ず両替手数料を取られます。
しかしTransferWiseを使って、渡航先の通貨を先に送金しておくことで(両替自体はミッドレンジでTransferWiseの手数料のみかかる)、これまでの、両替手数料の安い両替商や銀行を探しまわる、なんていう煩わしさからも開放されます。
素晴らしい。頭良すぎやろ。
インターネットの技術を使った実にエレガントなサービスと言えます。カードの裏面の磁気ストリップの上には、小さな文字で「Bye bye banks, hello world.」と書かれているのがニクイです。
使い方の流れを画像で解説
ちょっとわかりにくかったかもしれないので、使い方を画像で説明しておきます。でもすでにTransferWiseを使ったことのある方なら、いちいち読まなくてもほんとに直感的に使えます。
1.TransferWiseのサイトから、カードを申し込む。その際、最初に作られるバーチャル口座の通貨を何にするか訊かれますが、自分が普段使っているメイン通貨でよいと思います。私はSGDにしました。あとで簡単に追加したり削除できます。
2.カードが届くのを待つ。
3.カードが届いたら、裏面にサインして、TransferWiseの携帯アプリからカードをアクティベートする。スマートフォンだといろいろ写ってめんどくさいのでスクリーンショットは撮ってませんが、ほぼ直感的にできます。言語はもちろんスマホのOS言語と同じになるので日本語で見れます。
※以下はPCのブラウザの画面ですが、同じことは携帯アプリでもできます。
4.アクティベートすると、TransferWiseのアカウント上に、すでにSGD口座が表示されていました。
5.上の画面の「Add SGD」(追加)をクリックし、その後TransferWiseのいつものやり方で、お金を送金します(使ってる方はご存知の通り、銀行のオンラインバンキングで手数料なしでちゃちゃっとやれます)。
6.送金すると「6時間以内に反映されます」と表示されましたが、実際はものの数分で入金完了していました。このバーチャル口座のお金自体は、もちろんTransferWise上から、リアルの銀行口座に送金することもできます!
7.残高画面の「Add a balance」(通貨を追加)をクリックすると、通貨の選択画面が出るので、出張でよく行く国や、今度の海外旅行先などの通貨を追加できます。一瞬で口座ができます。
8.調子に乗ってよく行く国の通貨を追加しまくりましょう。
9.これで、いろんな国の通貨のバーチャル口座を開いたことになりました。
10.あとは、その国に行く機会ができたら、出発前にでもTransferWiseから送金しておくと、その送金の際にTransferWiseの手数料を取られるだけで、両替手数料もクソ高い銀行手数料も取られることなく、現地に着いてから現金を下ろせるようになります。
と、言ってもまだ手に入れたばかりなので実際は下ろしたことありません。今度試したらまたレポートするかもしれません。
なお、現地通貨のATMからの現金引き出しは、毎月350米ドル(相当)がフリーの限度で、それを超えると、2%のTransferWise手数料がかかるそうです。
しかしその2%手数料も、クソ高い銀行手数料に比べたら安いはずです。
さらに、この限度は、現金引き出しに対してのものです。このカードはコンタクトレス決済にも対応したMastercardなので、海外でもだいたい普通にキャッシュレスで買い物できると思います。その際は、当然残高がある限り、毎月の使用限度はありません。
事前に現地通貨をチャージするような感じになるので使いすぎもなくなるかもしれません。
ちなみに、失くしたときなどのカードの無効化も、TranswerWiseのアプリで簡単にできます。電話なんか必要なし。
というわけで、これからは海外で買い物するときも、クレジットカードを使って手数料取られるより、このMaster付きのデビットカードを使えば、海外旅行ではクレジットカードさえ必要ならなくなりそうです。
これらがすべて、窓口に並んで人間と話したりすることなく、無料で行えます。
便利な世の中になりました。インターネット技術を使って、銀行やら両替商などの既存ビジネスを駆逐していくさまは、まさに「Game Changer」という感じでかっこいいですね。
冒頭に書いた通り、TransferWiseは、海外で働くひとが母国に送金する際の手数料を節約する目的で使われていたところが(ビジネス向けサービスもあるそうですが使ったことありません)、このMasterデビットカードの登場で、たまに海外出張や旅行に行くひとにもその便利さを享受できるようになりました。
素晴らしい! はよ使ってみたい。今週末ジョホール行こかな。
上のスクリーンショットは英語でしたが、もちろん日本語でも表示できますので、TransferWise自体を使ったことのない方はぜひ登録して使ってみることをおすすめします。
▽トランスファーワイズのウェブサイト
最初の登録は、身分証の画像を送ったりとややめんどいですが、それでも銀行や両替の手間を考えると、ぜんぜん楽かつお得になります。