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しんどい海外出張をリッチな体験にする12のアイデア

このところ色んな会社のひとから、「最近の若いもんは海外に行きたがらない」「海外赴任になりそうなら異動願い出そうとする」という話をよく聞きます。

ほんまかいな、と思いつつ、うちの会社(日本)も実は似たような傾向はあって、「海外行きたいです!」という若い子もたしかにいますが、海外プロジェクトに積極的に、長期的に関わろうとする人間は極めて少数派です。

言語が不安、というのが最も大きいのでしょうが、会社の金で海外に行ける出張を、言葉が不安だからという理由だけで断ってしまうのは、非常にもったいない話だと思います。

生活の基盤が海外に変わってしまう長期の駐在はさておき、海外出張ならどんどん行ったほうが、日本ではできない色んな経験ができて、視野も広がり、ひいては自分のセリング・ポイントが高まります。

本ブログに来る方は、海外出張がイヤという人は逆に少数派とは思います。

しかし、初めての方や、慣れない異国の地での仕事をストレスフルに感じている方も多いと思われますので、今回は、海外出張をリッチな体験にする個人的アイデアを、いくつかご紹介します。

 

1. ビジネスクラスに乗る

海外出張にビジネスクラスで行く場合とエコノミーで行く場合の差は、大阪から東京まで新幹線のグリーン席で行く場合と自由席で席が見つからずに立ちっぱなしで行く場合と同じくらい、肉体的、精神的な負担の差が大きいです。

全日空やシンガポール航空のエコノミーならまだしも、フライトアテンダントが豚に餌をやるような身振りで食事を配る某国航空会社や、真っ黒なフェイクレザーの前の座席の圧迫感が半端なく、通路側に座っているとやたらとカバンの角を腕にぶつけられる海外LCCのエコノミーに乗ろうものなら、これから頑張って仕事しようという心が折れそうになります。

しかし悲しいかな、大手商社や一部の外資系金融コンサル等でもない限り、ほとんどの会社の出張規定では、未だに従業員にエコノミークラスを強制しており、たぶん規定を作るひとはあんまり出張に行かないので、長距離エコノミーの辛さを知りビジネスを認めるような改訂もほとんど期待できません。

私の働く会社もご多分に漏れず、役員未満はエコノミー指定ではありますが、これまでに5、6回はビジネスクラスに乗ったことがあります。そのときに経験したビジネスの甘美なまでの快適さに魅了された私は、出張が決まるたびビジネスに乗るチャンスを窺っております。

そこで、会社はエコノミー指定だけど、ビジネスに乗れるかもしれない確率をわずかながらでも上げる方法をいくつか紹介します。

清潔感のあるスーツとネクタイを着用して笑顔でチェックイン

搭乗手続きカウンターで、小綺麗な格好をして愛想よくチェックインすると、約1%の確率で、エコノミーで予約していてもビジネスに乗せてくれます。

しかしこれは年齢が若い方が有利かもしれません。私がまだ20代後半のときに初めてドイツに行った際、ルフトハンザ航空のドイツ人女性受付員が「ビジネスクラス空いてるから乗る?」と言ってくれました。

長距離路線のためその価値は大きく、私は感激、大阪に帰ってから関西空港の展望台ショップでルフトハンザのステッカーを購入、スーツケースの目立つ位置に貼っていた時期もありました。

それ以来私は、座席が比較的空いていそうなフライトの場合、チェックインの際に「ビジネスクラス空いてませんか?(エクストラ料金支払う気はないけど)などと厚顔無恥なセリフを吐いていますが、40歳を過ぎた今では、勘違いしたおっさんを憐れむような表情で断られるだけで、成功したことはありません。

そろそろ確率1%を切るかもしれません。しかし、若い方はレッツチャレンジ。

飛行機の予約を出発日の超ぎりぎりに行う

これは会社によっては、始末書もんの問題になるかもしれませんのでおすすめはしません。

しかし、私は実際に出張の予定が直前まで決まらない時や、まじで今晩出発せな! みたいに急遽出張が決まるときが何度もあり、超ぎりぎりに予約しようとした結果、「エコノミーは満席です。ビジネスしか空いてません」という旅行会社の方の電話口の声を福音のように聞いたことがあります。

そうです。「ないもんは仕方ない」戦法です。

私はこれでビジネスクラスに2回乗りました。これは「まじで急遽決まった、私のせいではない、不可抗力、フォース・マジュール!というエビデンスが必要であり、出張が決まっているのに飛行機の予約をちんたら遅らせていると、ビジネスも満席になってまじで出張に行けないなんて洒落にならん事態になりますので、決して安易に真似はしないでください。

ですがぎりぎりに出張が決まるような雰囲気がある場合は、旅行会社に残席数を聞いておくと良い動きができるかもしれません。

社内ロビー活動を怠らない

何度か海外出張を重ね、社内的な実績を積んで以降は、会社の総務部長や、役員、社長などに対して、普段から「エコノミーまじしんどいアピール」を怠ってはなりません。

「役員以上はビジネスクラス」という規定のある会社も多いと思いますが、だからと言って「えらいさんはほとんど仕事せーへんくせに実際手を動かす若い人間がエコノミーっておかしい! 逆やろ!」なんて愚痴をえらいさんに聞かれては逆効果です。

そうではなくて、相手が極めて機嫌のいいときを見計らって、第三者的な意見をこまめに提供しておくと、いつか効果が出るかもしれません。

例えば、以下のWall Street Journalといった偉そうな媒体の記事を「こんなん書いてますよ、こうなったらいいですよねー、チラっ」みたいに冗談まじりに話しておく。

※参照:出張にビジネスクラス、企業が容認すべき理由 - WSJ

もしくは、「あの会社はたしか6時間か7時間以上のフライトならビジネスっていう規定があるらしいですよ」なんて飲みの席で言ったりしておくと、いつか役に立つ日が来るかもしれません。

私はヨーロッパに役員と行くことになった際、ダメ元で、「フライト10時間超えるんでビジネス乗っていいですか?」とストレートに聞いてみたら、これまでのロビー活動が功を奏したのでしょう(自分だけビジネスに乗ることに罪悪感を感じたせい?)、見事ビジネスクラスをゲットしました。ヘレステーキを赤ワインとともに食したのち横になって寝たらあっという間にチューリッヒでした。

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ちなみに、私はオーストラリアへの7時間のフライトでエコノミーが満席だったため、SQのプレミアムエコノミーに乗ったこともあります。ですがあれはちょっと座席スペースが広いくらいで、あんまり値段の価値($1,000以上高かった)を感じられませんでした。ビジネスクラスの利点は、食事の豪華さなどよりも、とにかく横になれるということです。

2. タクシーを借り切る(アジア圏限定)

日本はタクシー料金が世界で最も高い国で、プライベートではあまり気軽に利用できません(はやくGrabが使えるようになってほしいところです)。一方、アジア各国ではタクシー料金はまだまだ安く、ビジネスでもプライベートでも気兼ねなく使えます。

※参照:世界主要都市のタクシー料金比較

しかし日本のように、自動ドアだったり、運転手がエレガントな白手袋をしたりしていることはなく、割と無愛想な、乗客が日本人とわかれば遠回りしてぼったくったろうと考えているようなドライバーも少なからずいます。

そういったことに不安な場合は、スマートフォンの言語を英語にしてからGoogle Mapのナビをこれみよがしに起動すると、遠回りへの抑止力になりえます。

そんなんやらしいからイヤという方は、音は出さずに地図で現在地を逐一確認しておけば、あきらかに遠回りしたときに、画面の地図を見せて文句を言えます。

そうできるようにするために、現地空港に着いたらすぐに携帯をインターネットにつなぐことは重要です。よく行く国ならSIMカードを買っておいて、差し替えればよいです。初めての場合や現地で買うのはよくわからない場合は日本でSIMカードなどを注文してもっていくとよいです。

海外ではプリペイドタクシーが多かったりして、なかなか日本のように流しのタクシーをつかまえることはできません。

そこで出張中におすすめなのが、タクシーを一日単位で借り切ってしまうことです。ホテルに言えばたいていアレンジしてくれます。ホテルはかなり高めの値段設定ですが、アジア圏の国なら、丸一日借り切っても1万円とかいかないレベルです。

なお、私のおすすめは、タクシー配車アプリ「Grab」でタクシーをつかまえ、最初の目的地に行く途中の車内で、一日貸切にしたらいくらかになるかドライバーと個人交渉することです。

うまくいけば、ホテルでタクシーを一日借りるよりも格安の値段で借り切ることができます。目的地で打ち合わせをしたり、ごはんを食べてる間も待っててくれます。

なお、この場合の注意点は以下の通り。

  1. 英文のブランクの領収書を何枚かプリントアウトして持っていき、最後に支払ったあとに領収書に日付・金額を記入してもらい、署名してもらうこと。
  2. なんかあったときのために車のナンバープレートの写真を撮っておくこと。
  3. 車を離れる際、トランクに荷物を入れっぱなしにしない。
  4. 途中でカフェなどにより、コーヒーをドライバーに差し入れしたり、最後には無理聞いてくれたお礼のチップも忘れないこと。

途上国では、領収書をくれない、機械に紙がない、なんてことも多いので、ブランクの領収書を用意しておくと、いざというとき役に立ちます。

会社によっては精算時に却下されるかもしれません。そういうおそれがあるときは、おとなしくホテルでアレンジしましょう。

なんにせよ、タクシーを一日借り切ることで、クソ暑い中、道路に突っ立って流しのタクシーを必死に捕まえたりする必要がなくなって、すこしリッチな気分になれます。

なお、Grabなどで乗れる白タクは安全面・補償面が心配という方もおり、それはたしかにそうなんですが、個人的にはイエロータクシーの運転手はどの国もお年寄りが多く、日本と比較してまじでやばいくらい運転下手なひとが多いです。

一方のGrabの白タクは小遣い稼ぎの若い運転手も多いので、安全面はましなんじゃないかなと個人的には思います(自己責任)。あと、料金が最初に決まるのも良い。カードを登録しておけばキャッシュレスでいけます。

丸一日借りるまでもないと言う場合は、ベンツなどのプレミアムタクシーに乗り、後部座席で本社に電話なんかして海外出張っぽい仕事するフリすると、多少リッチな気分になれるかもしれません。プレミアムと言っても料金はだいたい日本のタクシーより安いです。

プレミアムタクシーの利点は、運転手がきちんと教育されているのでしょうか、以前私の同行者がトランクに忘れ物をしたときに、車の番号を控えなかったにも関わらず、荷物がちゃんとホテルまで戻ってきたことがありました。

 

3. 高級ホテルに泊まる

海外では(というか日本が特殊)、清潔かつ安全面も大丈夫そうで、価格も手頃(1万円以下)なホテルがなかなかありません。

というわけで、海外出張中は従業員の安全確保が最重要! という名目で、有名な高級ホテルに泊まってしまうことをおすすめします(高級ホテルはテロの標的になりやすいという話はおいといて)。

高級といっても、海外によくある一泊ウン十万のスイートしかないホテルとかではなくて、普通に日本にもある、ヒルトンとかハイアットとかマリオットとか、そういう世界チェーンのホテルがなんだかんだでおすすめです。

実際、そういうホテルは、少なくともアジア圏内ではそれほど高くありません。時期にもよりますが、東京の超狭いビジネスホテルと同じくらいの、一泊1万円~2万円の価格帯でも十分見つかりますので、最初からそういうホテルをターゲットに探しましょう。

マリオット系はいままでどこに行っても食事がおいしかったです。最近、よく見かけるプルマン・ホテル(Pullman)も、今風でキレイで料金もそれほど高くなくおすすめです。ハイアット系列の廉価ホテル「Hyatt Place」(1万円程度)もアメニティはやや質素ですが、日本のビジネスホテルのシングルルーム3つ分くらいのソファもある広々とした部屋に泊まれます。

海外出張中は安全確保が第一に、次に仕事を効率よく行うための鋭気を養うということにして、日本の国内出張ではまず泊まれない、快適な高級ホテルを確保しましょう。

ちなみに私はインドで、クソ汚い、かかと歩きしかしたくないような、タイル張りのシャワー室にシャワーヘッドが外れてなくなっており、プラスチックのどでかい水瓶と手桶が置いてあり、ベッドシーツも湿ったホテルに泊まったことがあります(朝食付き1泊2,500円くらい)。そのときに「なんでこんな苦労して出張せなあかんねん!」と思って以来、ホテルは安すぎるところには泊まらないようにしています。

4. 着替えは全部ホテルのタンスに整理して入れる

そんな風にいい感じのホテルにチェックインしたら、まずは部屋にあるクソ重い遮光カーテンもレースカーテンも両方とも全開にして、さらに全裸になって、窓からの景色(夜景ならなお良し)をしばらく楽しむことをおすすめします。

広い部屋の大きな窓から、異国情緒のある夜景をうち眺めていると、だんだんと「思えば遠くに来たもんだ」というありふれた感慨が沸き起こってきて、非日常の感に打たれることと思います(打たれなければ打たれたふりをしてください)。

ここでホームシック的に寂しくなってはいけないので、全裸のままでかいキングベッドにダイブしてごろごろ転がり、狭苦しかったエコノミークラスからの解放感を十分に満喫します。ある程度、満喫できたところで次にするべきは、スーツケースの中身を全部出して整理することです。

海外出張中の非日常感を味わうためには、そこで生活している感を演出することが重要です。

よって、下着類はホテルに備え付けのドロワー(引き出し)に丁寧に収納することで、こんな豪華な部屋に住んでいる、みたいなリッチな気分になってきます。ジャケットやドレスシャツ、ネクタイも全部クローゼットのハンガーに掛けます。

毎晩・毎朝、使う分だけスーツケースから出して、着たものはスーツケースに突っ込んでいくなんて、合理的なようでいて、まったく情緒に欠けており美意識のかけらもなく、なんのために広い部屋に泊まっているのかわからなくなります。

ここは面倒臭がらずに、小津安二郎の映画のワンシーンでも思い出しながら、下着類を丁寧にたたんで引き出しに収めていきましょう。

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私の場合はここでさらに、スーツケースの中でシワができたドレスシャツに、アイロンをかけます(だいたいクローゼットにアイロン台とともに備え付けられています。ない場合はフロントに電話すれば持ってきてくれます)。

全裸でのアイロンは危険なのでおすすめできません。しかし異国の地のホテルで夜景を見ながらわざわざ行うアイロンがけは、エクストリーム・アイロニングならぬ、ラグジュリアス・アイロニングと名付けたくなるような、とかく忙しくなりがちな海外出張において、気分を落ち着かせ、明日の交渉はどんな話し方でいこうか、などとゆっくり考えることができる、実にリッチな行為と言えます。

5. 海パン持って行ってプールサイドで本を読む

さらに海外出張には海パンを持っていくと良いです。

ホテルにはたいていプールとジムがあり、宿泊客は無料で利用できます。ジムで汗を流すのが好きなひとはそうすればいいですし、私の場合は、時間があるときは、夜にプールサイドに行って寝転びながら本を読みます。

ホテルのプールにはとかくムキムキの欧米人が多いので、貧弱なボディだとやや気後れしてしまいますが、その辺はあんまり気にせず、ちょちょっと泳いだら、後はバスタオルを体に巻くなどして寝転んでいれば、日本のビジネスホテルでは味わえないリッチ感を楽しめます。さらにトロピカルなカクテルなど頼むと、出張中なのにまるでリゾート地に来ているような感覚になります。

なお、この場合は調子に乗って洋書などを読むのではなくて、日本語のハードカバーの本を表紙つけたまま読むことをおすすめします。

そうすることで、水着ギャルもしくはレディから「You from Japan?」なんて声をかけられるチャンスもあるかもしれません。私の場合はいまのところ、「ニホンジン?」と声をかけてきた、昔日本人の奥さんがいたらしいドイツ人のおじいちゃんの昔話に30分以上つきあわされただけですが、継続は力なり、です。

また、プールサイドには、カラフルなネオンの煌きが妖しいバーなどもよく併設されており、そのカウンターに座って注文、バーテンダーと話してみたりするのも英語の練習によいかもしれません。

6. クラシックな両刃カミソリを持っていく

最近、いわゆる両刃カミソリを購入して、その見た目、剃り心地、メンテナンスコストの安さに感動しました。実際に買ったもの(↓)。

この両刃カミソリを、東南アジアのホテルなどで使うと実にいい感じです。

古風なルックスと、電気カミソリとは異なる丁寧に剃り上げていく感覚が心地よく、さらに言えば、鏡に映る自分の姿はいかんせんいつも通りしょぼいとは言え、アジアのホテルの大きな洗面台でジョリジョリしていると、どことなく青い空、白い雲、巨大なアレカヤシを背景に、真っ白な服を来たオランダ人が優雅にヒゲを剃っているかのような映画的なイメージが呼び起こされ、植民地時代的(コロニアル)な風情を満喫できる、これまたリッチな気分になれます。

同僚やお客さんなどと食事をして帰ってきた夜、風呂に入ってからゆっくりとヒゲなんか剃ると、そうした気分もいや増すというものです。

7. 風呂上がりはバスローブを着てこます

という感じで、あえて夜にヒゲを剃ってさっぱりしたところで、バスローブを着ると、リッチ感はさらに増します。

バスローブのまま寝ると、朝起きたら前がはだけていて惨めな格好になっていますが、明日からの仕事に備えて寝る前の時間を、バスローブ姿で過ごすことでさらなる非日常感を味わえます。

ここでわざわざクラシックなパジャマを持っていくことも考えたことはあるのですが、日数分持っていくのは荷物が嵩張るし、ホテルのクリーニング代は逆になぜかめちゃくちゃ高いので、寝る時はパンツ一丁かTシャツでよいと思います。

8. ポータブルスピーカーを持っていく

そんなバスローブ姿のまま、ソファに座り、音楽を聴くこともおすすめです。テレビを付けると、海外特有のキャスター同士が相棒感を演出するかのようなノリのニュース番組や、安っぽいドラマしかやってないので、気分が削がれます。

テレビは消したまま、イヤホンではなく、スマートフォンとポータブルスピーカーをつなぎ、テナーサックスが心地よい渋いジャズなんかをかけると、過剰で孤独な自意識をさらに不必要に触発する感じで良いでしょう。

そんな感じで、明日からの資料の準備をしたりなんかをすると良いです。間違っても日本のニュースまとめサイトなどを見てはいけません。いつもの感じに戻ります。

Temporary Kings

Temporary Kings

 

9. ミニバーのウィスキーをグラスで飲む

そんな感じで仕事の準備も終わり、雰囲気が出てきたら、部屋の照明を落としつつ、おもむろにミニバーを開けて、ウィスキーの小瓶を値段も見ずに開けてしまいましょう。

それを備え付けのグラスに注ぎ、ソファに腰掛けゆっくり飲む。

日本の国内出張で泊まるビジネスホテルでも、コンビニで買ってきた酒を飲むひとは多いですが、すぐに背面がベッドにぶつかるような椅子しかないので、雰囲気はえらい違いです。

あんまり飲みすぎると、翌日からの仕事に支障をきたす、というか、ミニバーのウィスキーボトルってめっちゃ高いので、1日1本くらいにしておきましょう。出張が長めの場合は近くの酒屋などでボトルを仕入れると良いです。

10. 部屋でマッサージを頼む

その後、やや眠たくなってきたところで、さらにたいていのホテルの中に併設されているスパ(Spa)に電話をして、部屋でのマッサージを頼むことで、海外出張におけるリッチ感は絶頂に達します

ちなみに、飲酒後にマッサージを受けると、悪酔いしたり、血管に負担がかかり、最悪の場合死ぬこともあるらしいので、飲みすぎた後は絶対にダメです。

ホテルの部屋の机の上にはたいてい、スパの案内が置いてありますので、部屋の電話を使って、

Can I have in-room massage?

と聞けばオーケーです。そうすると何時からか? とか聞かれますので、テキトーにお願いしましょう。まれに部屋まで来てくれないことがあり、その場合はわざわざエレベーターでスパまで移動しないといけないため、その場合はあきらめて寝たほうがリッチ感が途切れません。

アジア圏のホテル内でのマッサージ料金は街中に比べると割高とはいえ、日本などよりだいぶ安いですし、どこにも行かずにホテルの部屋で受けられる贅沢感には替えられません。

部屋のベッドに寝そべってマッサージを受け、終わってすっきりしたら、そのまますぐに寝てしまいましょう。その際、携帯で目覚ましを設定するのをお忘れなく。

11. 服装は一番いいものを身につける

ホテル系がやたらと長くなってしまいました。。。ほかに思いつかん、、、ぜんぜん仕事してないみたいやないか。

そう言えば、海外に行く場合はよく、スリや強盗に合わないように「目立たない格好をする」とか「ウエストポーチを体の前に付ける」とか言われたり、「いかにもパスポートと現金入ってます」と言わんばかりの長細いポーチを首からかけたりする人がいます。しかし私は、そんなん絶対にしないほうがいいと思います。

日本人観光客感が出て、余計狙われるリスクが上がります。

そこは逆に、自分の持っている中でも良いジャケットやシャツ、ネクタイ、ポケットスクエア、ベルト、靴、時計を身につけ、おしゃれをしましょう。そうして旅慣れた感ある身のこなしをして、なめられないようにすることの方が大事です。観光上も仕事上も。

日本人のおっさんサラリーマンは、たいてい黒のスーツにネクタイなしとか、サイズ大きめのシャツとパンツを履いており、それが日本人らしさの演出につながり、メリットもないとは言い切れません。

しかし私はそうではなくて、スーツはやや明るめネイビーかグレー(チャコールではなく、ライトからミディアムグレー)を着て必ずネクタイはきちんと締めます。

それか出張中はいわゆる小綺麗なジャケパンスタイルの方がなにかと良いかもしれません(その場合の靴とベルト、カバンはブラウン系の方がベター)。

多少暑くても我慢してジャケット、ネクタイを身に着けることで、なんやこいつ感を出しましょう。かっこつけるためではなくて、アジア圏ではそもそもアホみたいにジャケット着てるひとが少ないので、その逆を行くことで、目立つんではなく、ちょっと他とは違う感(必ずと言っていいほどアジア各国で日本の会社の競合となる中国や韓国との差別化)を出すメリットの方が大きいということです。

また、そういうきちんとした服装をしておくと、仕事上の相手だけでなく、ホテルやレストランの対応が変わることも、都市伝説ではなく事実です。

ちなみにシンガポール人がよく言うには、基本的に「スーツは着るだけでBOSS感が出る」そうです。金融系を除き会社員は普段ほぼスーツなんて着ませんので。

もちろん相手によっては、きちっとした身なり、もしくはラフな着こなしが逆効果の場合もありますので、常に相手に合わせる気持ちも大事です。例えば製作工場のおっちゃんに会う場合はネクタイなし、法律事務所で弁護士に会う場合はネクタイありなど。

ともあれ、基本的にはちゃんといい感じの服装をすることで、アジア人一括りにされるリスクを減らすこともできます。

いい服を着て、金持ってそうと思われても持ってなければ大丈夫です。

「でも狙われそう」と不安になるかもしれませんが、狙われるのは、金持ってそうな人間より、隙のある人間です。隙のない身のこなしとは、あんまりヘコヘコ、キョロキョロしないで、常に周囲に目を配りながらも、根拠なく堂々としておくということです。なお、大きな黒いブリーフケースなどを肩からぶら下げるのは隙のある身のこなしですのでご注意を。

ただ、財布の現金は盗まれてもなんとか耐えれる額に抑え、財布ごと盗まれたときのために、クレジットカード類の紛失時連絡先はすぐわかるようにしておきましょう。

12. できるだけ観光する

「ブレジャー」という言葉があるように、日程上可能であればビジネス上の海外出張の後に休暇を付け足して、海外での観光などを楽しむべきです。

海外出張時の観光は単なる遊びではなく、その国で仕事をしていくのであればその国のひと・文化を知れる貴重なチャンスとなりえます。

私も若い社員が海外出張に行く場合は、仕事終わったらすぐに帰ったりせず、最低半日、できれば一日は観光できる日を作れ、と言ってます。会社はそうした日は仕事してないからとか寒いこと言わずに日当を払うべきだと思います。

観光といっても遊園地やビーチ、映画館などに行くのではなく、金持ちが働く金融ビジネス街を歩いて向上心・反逆心を醸成、スラム街やごみ処分場などにも立ち寄り(中に入ってはダメ)この世の不平等・不公平の野放しっぷりの現状を知り、ランチはローカルのひとばかりが行く安い食堂で食事をして異国の日常を知り、文化・歴史博物館や戦争記念館を見て過去を勉強してから、ディナーはあえて高級レストランに行って再度非日常を味わう。その後は夜遊びなんかもしてできるだけ現地の女の子と会話するのも良いでしょう。

そうすることで、お互いに前提や常識をあまりにも共有していないために、打合せ・交渉の場で意見や主張が衝突しまくって心身ともに消耗しがちな海外ビジネスで役に立つ、常に物事を俯瞰しなおす視点と、ふてぶてしさ、抜け目のなさが、少しづつでも身についてきます

なんか記事の主旨と変わってきてますが、要は海外出張だからと仕事のことばかり考えるのではなく、上記のような「観光」も行うことが、海外出張という経験全体を最もリッチなもの、つまり成長の糧に変えてくれるということです。

 

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