The Analog Vaultの店員さんから、「White Labelは買い取りやってる」と聞いたので、早速チャイナタウンまで足を伸ばしてみました。
着いてみたら、チャイナタウンとは言っても、URAビルの対面あたりの、おしゃれな(高級な)レストランやバーがひしめきあい、週末の夜ともなると、欧米人や金持ってる系・おしゃれ系のシンガポール人が道路に置かれたテーブルなどで酒を飲んで賑わうエリアにありました。
古い建物をリノベートしたAnn Siang Houseなる建物の1階で、2階~3階はホテルになっている模様(ホテルは高いけどおもしろそう)。レストランもあり。
Ann Siang House
https://annsianghouse.com/
なんや何回も前通ったことあるやん、とか思いながら入店。
ここは、昼は飲み物も注文できるレコード屋で、夜はバーになるとの事前情報を入れていたため、ぱっと見でレコードも少ないし、入るなり店員の見た目まじめ系ながら右腕全体の彫り物が目立つ姉ちゃんに買い取りをお願いしたい旨伝えると、なんと「買い取りやってない」との返事。
「うっそん(日本語)I was told by the Analog Vault that you are purchasing secondhand records.(英語)」というと、「すぐに現金渡せるような買い取りはやってなくて、Consignment=委託販売ならやってます。ですがオーナーしか受け付けてないんです。もう少しでオーナー戻ってくるのであとで聞いてみてもらえますか」とのこと。
委託販売のシステム
致し方なし。待つこと15秒。
すぐに私と同年代かちょっと下くらいの中国系シンガポール人オーナーがやってきました。
委託販売について聞いてみると、売りたい人が自分で希望の値段を申告し、店側がそれにマークアップ(具体的%を教えてくれたが一応秘密にしておきます)して店頭で販売。売れたら連絡があって、希望の値段分を受け取れるという至って普通のシステム。
しかし重要なのは本当に売れるかどうかであって、中古レコードのコーナーを確認すると、フロアに置かれた5~6個のダンボール箱にジャンルばらばらで入れられており、値段もほとんどが5ドル。端っこにわずかに数十ドルのものがあるばかり。
どうもレコード販売はオーナーの趣味で、DJブースのあるバーがメイン事業と思われました。
ここにレコードを置いて帰ると、足元に置かれて全く見向きされず、夜な夜な飲みに来たさして音楽に興味があるわけでもない人々がヒューヒュー言いながら床に置かれた箱を(故意にではなく)蹴飛ばしたりして、私が一度は愛したレコードがズリっと健気に箱の中で倒れ込む様が脳裏に浮かび、それはなんか不憫に感じたため委託することはやめ、店を後にしました。
レコード屋としてはいまいちだったので、再訪はないと思いますが、近く『シティポップとアジアンレアグルーヴを鳴らし続ける夜』というイベントがあるそうで、気が向けば行くかもしれません。
White Label Records & Bar
住所:28 Ann Siang Road, #01-01, Ann Siang House, Singapore 069708
いまのところ再訪したいレコード屋
というわけで、今のところ個人的に良かったシンガポールのレコード屋は、The Analog Vaultが1番。Roxy Disc House (Adelphi)が2番というところです。両方ともECMのレコードがシンガポールで買えるというだけで私にとって価値があります。
実は、シンガポールで最も使われている個人売買アプリ『Carousell』(販売者と購入者が駅前などで実際に会って取引するシステム)にも、すこしレコードを出品しています。結構レアなものを安めに出しているのにぜんぜん売れませんし、そもそも面倒くさいです。結局いつも通り、日本でDisk Unionに送ることになりそうです。