インドの空港での入国・出国手続きは非常にストレスがたまります。時間がかかることはもちろん、他の国にはない、妙な(ほとんど無駄と思えるような)手順が多い為です。これらは、初めてインドに行くひとは結構戸惑うことも多いと思われますので、以下にその手順をまとめます。こういうものだと事前に知っておくことで、ストレスの軽減にもつながることを期待して。
疲れているのに時間のかかる入国手続き
- インドに到着した飛行機を降りたらまず、あの蛇腹の空中通路(ボーディング・ブリッジ)の途中で配っている入国カードを受け取ります。この入国カードは飛行機の中で配られることがありますが、配られない場合も多いです。ちなみに、日本の旅行会社は、各国の出入国カードを在庫しており、チケットを購入すれば一緒にカードを事前にもらえますが、なぜかインドのカードは入手できないそうです。
- 今年(2014年)から入国カードの記入内容が簡略化されましたので、歩きながらぱぱぱっと書きます(後述しますが外国人用の出国カードはなくなりました)。ここでポイントは、滞在先欄にはホテル名称だけでなく、名称の後に地名も書いておきましょう(例:ABC HOTEL CHENNAI)。地名を書いておかないと、入国審査官にかなりの確率で「このホテルはどこにある?」と質問をされますので、ストレス軽減の為に書いておくことをおすすめします。
- イミグレーション(入国審査)では、パスポート(ビザ貼付)と記入済み入国カードを提示。観光もしくはビジネス・ビザは必要です(ビザ取得については省略しますがこれもまた面倒くさい)。大抵の審査官は無愛想で無口ですので、質問はほぼありません。インドでは、インド人と外国人の窓口が別れていないことも多く、単純に人口の多いインドですから、行列になることもままあります。
- 次が初めてのひとにはわかりにくいポイントで、イミグレーションを過ぎたあと、荷物受け取り場(バゲッジ・クレーム)の手前で、大抵おっさんが立っています。このひとには、さっきパスポートに捺されたばかりの、入国日のスタンプを見せる必要があります。入国審査が終わったらハンコの捺されたページをすぐに確認し、指を挟んでおきましょう。パスポートのスタンプを見せろとも言わずに手だけ伸ばしてくるので、初めてのひとは必ず戸惑います。
- 次にバゲッジ・クレームの手前に、またもや手荷物のスキャンがあります。ここではPC等を出す必要はなく、かばんをベルトに載せるだけでOKです。金属探知機はピーピーなりますが、止められたことはありません。
- あとは預けた荷物を拾い、今度は出口に向かうところで、税関申告書を渡して(申告するものがなければ)完了です。出口に向かいましょう。
パスポートと搭乗券とタグをチェックされまくる出国手続き
- 空港に着いたら、空港建物入口に立っている自動小銃をぶらさげた軍服姿の人にパスポートとEチケットを見せないと中に入れません。PCやスマートフォンの画面でもOKですが、プリントしておいた方がスムーズでよいです。
- 中に入ったら、搭乗手続きカウンターに進むのですが、ここで注意すべきは、「LCCで大都市に移動してから国際線に乗り継いで帰国」というような場合、国内線移動の場合は、スーツケースをロビー中央あたりでスキャン(各航空会社ごとに別々)してもらい、スキャン済みを示すシールやタグをつけたもらう必要があります。これがないと荷物を預けられません。国際線のみの場合はなぜかこの手続きは必要ありません。シールがないために搭乗手続カウンターから引き返すひとをよく見ます。
- 搭乗手続&荷物預けが完了したら、手荷物には必ずタグを付けます。タグは搭乗手続きカウンターでもらえますが、大抵つけるように教えてくれないので、忘れないようにしましょう。手荷物が複数の場合はそれぞれに一枚ずつ必要。タグには氏名や住所等なにも書かなくて大丈夫です。(※2018年4月追記:今月出張したときは、このルールはなくなっていました。すべての州で共通かはわかりませんが、少なくともムンバイ空港では必要なかったです。よって、下記5の写真にあるような、手荷物タグへのハンコもなくなっていました)
- 出国審査官には、パスポートと搭乗券の提出だけでOK。出国カードは今年から必要なくなりました。なお、インド人は必要なようで、審査場前の机で書いているひとがたくさんいますが、気にせずに進みましょう。
- 次のセキュリティでは、手荷物と上着はスキャナーを通す必要がありますが、パスポートと搭乗券は必ず手に持って金属探知機を通ります。探知機が鳴っても鳴らなくてもボディチェックが行われますが、その際、必ず横のテーブルに、搭乗券を表に向けて置くこと。すると、ボディチェック完了後、軍人が搭乗券にハンコを捺します(これがないと進めません)。スキャンされた手荷物を受取った後は、先ほどカバンに付けたタグにもハンコが捺されているか確認しましょう(写真参照)。(※2018年4月追記:上記追記の通り、手荷物タグ自体、必要なくなったのでハンコも必要なくなりました。繰り返しますが、全インドでそうかは不明です)
- なお、ライターは没収されますので、高価なオイルライターは持っていかないようにしましょう。また、ライターを手荷物かばんに入れているのが見つかると、ほかにもないかカバンの中をあれこれ調べられることがありますので、自分から潔く捨てた方が良いと思われます。
- 次にようやくゲートに進みますが、ゲート前はもちろん、ゲート途中、バス乗り場前、ひどい場合は飛行機入り口直前でもう一回と、パスポートと搭乗券を何回も何回も確認されます。搭乗券と手荷物に付けたタグに捺されたスタンプを確認しているようですので、上記4のスタンプは、捺された事を必ず確認しておきましょう。
- これでようやく飛行機に乗れます。とにかくインドの空港では、強迫神経症的にパスポートと搭乗券を何度も確認されるほか、旅客の数自体も多いため、ある程度の時間的余裕を持って出国手続きをしたほうが良いと思われます。
その他留意事項
- インドには流しのタクシーは(オートリキシャ以外)基本的になく、空港出口付近にはプリペイドタクシーの窓口がありますが、たいていはここにも行列ができていますので、ホテルに事前に空港ピックアップを依頼しておいたほうが良いです。
- ルピーへの両替は空港出口付近で必要最低限(使いきれる金額のみ!)しておいたほうがよいです(日本国内での両替は不可)。ホテルの両替所は夜など時間帯によってはやっていないことも多く、また、ビジネス出張の場合、市中の両替商に行く時間がないこともある為。