「お願い」ばかりのビジネスメール
基本的にビジネス上のメールは「お願い」であふれ返っています。アポイントメントのお願いから、資料送ってくださいのお願い、はたまた、ご確認/ご理解くださいメールから、ちょっと議事録書いといてメール、今晩一杯いきましょうメールも一種の「お願い」です。
ところが「英語 お願い メール」等で検索すると、出てくるのは、いわゆる「お願い」するときの丁寧な表現ばかりでした。
つまり「Can you ~?」の派生として、ビジネスでは「Would you~?」や「Could you~?」、「Do you mind if ~?」、「I was wondering if you ~」を使いましょうというものが多い。
これらは決して間違いではないですが、なんとも口語的、というかビジネス英会話的です。にもかかわらず、あまり英語が得意でない日本人の「メール」でも、上記の表現が多用されています。
ちなみに、「お願い」フレーズの紹介記事でよく出てくる「Would you do me a favor?」は、普段の会話で使うひとはあまりいません(少なくともアジアでは)。古風かつ澄ました感が漂うため、会話で使うときがあったとしても、それはちょっとしょうもないお願いをするときに、わざと冗談っぽく言うようなときにしか使いません。よって、ビジネスメールで使うと違和感があります。会話では、キレイな英語ですし、スマートに使いこなせればOKです。
よく言うがメールにすると少し違和感のある「お願い」表現
Could you check the attached drwaings?
添付図面をチェックしていただけますか?
この表現は正しいですが、メールでお願いするときも同じように書くのは違和感を感じます。口語的すぎる気がします。
ただし、絶対に間違いではないので使っても良い。
ただ、多くの日本人はこればっかり使っている。のであまりスマートでない。
もうひとつよく使われるのが「I would like you to ~」という表現。とりあえずコレ使っておけばオーケー的な定番表現です。
I would like you to check the attached drwaings.
私はあなたに添付図面をチェックしていただきたいです。
これも絶対に間違いではないですが、こればっかりの人が多いです。
お願いメールでよく使われるが日本人があまり使わない単語2つ
というわけで、「お願い」するときのメール英文のレパートリーを増やしていい感じにするために、以下の2つの単語を使うことをおすすめします。
1. Request(要求する)
2. Seek(探す/捜し求める/求める)
以上の2つは、ビジネスメールではよく使われる基本的な動詞ですが、日本人ビジネスマンが使っているのはなぜかあまり見かけません。
まず、「request」は以下のように使います。
Request you to prepare the agenda for the meeting.
[直訳](私は)あなたに会議の議題をつくるよう求めます。
頻繁に主語の「I(私)」を省略し、「Request you to ~」の形で使われます。
少しラフな感じが出るので、どちらかというと社内メールや協力会社との連絡で使われることが多いです。しかし、以下のようにすれば、上司やお客さんに対するメールで使ってもそんなに問題ないと思います(状況・関係性によるので注意。お客さんの場合は、I would like you to ~とか、I would be very grateful if you could ~ などの丁寧な表現を使った方が無難かもしれません)。
Request you to kindly sign on the attached Minutes of Meeting.
[直訳]あなたが親切に添付の議事録に署名してくれることを求めます。
「sign」という動詞の前に「kindly」を入れました。文章を丁寧にするために初心者はつい「please」ばかり使いがちですが、この「kindly」を入れるだけで文章が敬語っぽくなるので憶えておくと非常に便利です。
ちなみに、動詞を最初にもってくると、学校で習ったいわゆる「命令形」になってしまい、日本人からしたら「命令」は偉そうな感じがして使いにくいかもしれません。しかしそれは誤解で、英語話者間ではなんか頼むときでも普通に使われます。
使えると通っぽい単語
次に「seek」ですが、これは多分大学受験単語にも出てくる単語で、「捜す」という風に憶えているひとが多いと思います。
しかし辞書で検索すると、いろいろな意味があって、Dictionary.comの検索結果では、6番目にきちんと「to ask for; request:」とあります。
というわけで、ほとんど「request」と同じように使えます。
例えば、以下のように使うと非常に通っぽくていい感じに見えませんか。
We would like to seek your apporval.
[直訳]あなたの承認を求めたいです/[意訳]御承認賜り度
"We would like you to approve."よりもスマートな響きですね。
We seek your kind understanding in this matter.
本件に関し何卒御理解賜りたく。
単に私の印象だけかもしれませんが、かしこまったレター等では、request より seekが使われている頻度が高いように思います。